2024年03月29日( 金 )

生涯介護のいらない人生で最期まで親の尊厳を保つ~健康と病気では人生が違う

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日中特殊鍼法研究会会長 長尾治療院院長 長尾 良一 氏

 私は五十年以上患者と向き合ってきましたが健康状態が病気へと傾くにつれて運気が落ち、体力の低下とともに気力が弱くなり、かつては黒でも白で通すほどの勢いがあった企業家や政治家たちが逆に白を黒にされてしまうこともあります。ましてや普通の人たちは収入が少なくなったり、断たれたりと苦しい立場に追い込まれ厳しい現実と向き合うことにもなります。
 せめて保険取扱いでも出来れば良いのですが、現況はこれまた厳しい状況にあります。

 ▲長尾 良一 氏

 鍼灸師の学術的レベルが向上して広く社会に認められることこそが望ましいのですが、今の業界は医療の一翼を担うどころかサービス業になっている所が多く利益のみを追求する傾向にあるように思えます。誇りや使命観は何処にと言いたいですね。
 だから私は(未病先防)病気にならないように一歩手前で防ぎ、(既病防変)図らずも病に掛った場合は少しでも軽いうちに早く治すように心がけています。

 時々このようなことを耳にすることがあります『いつまでも親が生きて居るから少しも楽にならない。私たちが先に逝きそうだ』と言った患者が居ます。同じようなことをいう人は決して珍しくはありません。実の子どもにそう思われて生きるのは情けなく、切ないのでは?

 一瞬、罰あたりなことを言ってと思いましたが、実際、介護は大変で昔から泣かされて来た人たちがたくさん居ます。プロの介護士も身心ともに疲れはて、病んで来院する人も多く、介護の大変さを物語っています。
 だから最期まで人の手を借りないで、経済的にも負担を掛けないようにして立派な親だったと最期まで親の尊厳を保ってほしいものです。

 その為には頭(脳)と身体は死ぬまで使い続けることが大切です。
 歳を取って楽をしたいと考えている人は大きな間違いに気づかされることになるでしょう。
 頭も身体も使わないと使えなくなります。
 その先にあるのは哀れな寝たきり老人です。

 そこで秘策を、お伝えしましょう。耳を刺激することをお勧めします。
 耳というのは胎児がお母さんのお腹の中に居る時の正常位のかたちです。
 私は四十一年前、フランスのノジエ博士の指導の下、デルター反射の実験なるものを行い、身体全体が耳に凝縮投影していることを確信しました。また、私は中国雲南省の医師で、二千年以上医師の家系が続く耳針の大家、管尊信医師が代表を務める耳針研究所の教授でもあります。

自分でもできる健康寿命を延ばすための秘策(耳ツボ刺激療法)

 耳は身体全体が凝縮投影している反射区と考えてください。耳穴から続く勾玉が入る様なかたちのくぼみのエリアは臓器、臓腑が市街地図の様に並んで全部あります。

 また、その周りの小高い砦の様なエリアは体幹で頭、首、背中、腰、臀部、足先に続く、その外側に沿ったくぼみのエリアは肩から腕、指先へと続く領域になります。耳垂と呼ばれる耳たぶは口や目、内耳、顎を有する顔のエリアと大まかな知識が有れば十分です。

 自分で気になる部分のエリアを指先または綿棒などで圧し、過敏なポイントを刺激します。強くなく、長くもなく、やりすぎに注意して行います。
 胃もたれ 筋肉痛 頭痛 眩暈(めまい)など目的のエリアを探索してください。慣れてくると驚く程の結果が望めるようになります。入浴時には耳全体を清潔に保つためにもタオルで丁寧に拭きながら刺激を与えます。また、耳全体を揉んだり引っ張ったりしても体調はよくなります。

 ぜひやってほしいと思います。耳つぼ刺激療法の継続は健康寿命を延ばすことにつながります。

■長尾治療院
代 表:長尾 良一
所在地:佐賀県唐津市西城内6-7
設 立:1980年
URL:http://nagao-chiryouin.jp/
E-Mail: nagao@ia8.itkeeper.ne.jp

<プロフィール>
長尾 良一(ながお りょういち)

1949年福岡県生まれ。手技療法の大家であった父・松造氏の後を継ぎ、長尾流の手技と独自の鍼灸治療で現在に至る。日中特種鍼法研究会会長。

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