2024年04月26日( 金 )

北九州市が整備した水産加工場、いまだ「空き状態」

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 北九州市が整備した公設地方卸売市場内にある水産加工場が、完成後2年半近く経った現在も、ほぼ使われていないことがわかった。

 水産加工場は国の交付金(強い農業づくり交付金)による約4,900万円の助成と公費を合わせた約1億8,300万円を投じ、2016年3月に完成。当初は同市場を拠点とする加盟業者が入居する予定だった。しかし入居直前になってから加盟業者による使用料値下げの要望があり、入居自体が遅れていた。市は16年8月に「使用料値下げの要望には応じられない」とする内容を加盟業者に書面で説明。交渉が決裂していた。

 市は交渉決裂後の16年10月と11月の2回に分けて公募を行い、4業者が応じた。いずれの業者も入居申請を認められていたが、入居に至ったのは1業者(ウナギ業者)のみ。それ以外の業者は入居申請を取り下げたため、入居には至らなかった。
 ウナギ業者は17年3月から同施設に入居していたが、同年8月「原料の調達が難しくなった」との理由から退去している。

 同施設の実質的な稼働は、このウナギ業者による5カ月間のみ。以降は入居対象を広げ、常時公募を行って入居の促進を行っている。しかし、これまで入居に至るケースはなく、いまだに「空き状態」が続いている状態だ。

 市の担当者によると、「使用料に関しては条例で定められているため、すぐに値下げに応じることはできない」という。一方、「施設を見てもらったうえで入居を検討してくれているところもある」という。

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