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2018年10月25日 07:04

家族信託で名を馳せた司法書士グループ 次は「新規信託会社設立とIPOへ」(前) 時代を紡ぐ企業110社 

司法書士法人みつ葉グループ

成長の秘訣は「考え続けること・挑戦し続けること」

島田 雄左 司法書士

 2012年に代表・島田雄左司法書士が弱冠23歳で個人事務所として開業した同事務所。創業7年目にしていまや福岡・東京・大阪・沖縄に拠点を構え、4つのグループ会社をもつ組織に成長。今期の売上高は好調だった前期をさらに上回り、5億円を超えると見込まれる。短期間でここまで成長することができたのは、島田氏が訪れたチャンスを逃さずにつかみとってきたためだ。

 同事務所の始まりは12年。最初に事務所を構えたのは天神の一等地だったが、大手事務所が群をなすエリアでは勝ち目がない。島田氏の出身地である大野城市であれば、未開拓で強みが生きやすいと考え、同市に10坪程度の、道路に面した事務所を開いた。創業2年目の13年、多様な顧客の要望に応えるため、個人事務所から(司)オフィスワングループとして法人設立をはたす。ここから同グループの快進撃が始まるのだが、そこには大きく分けて3つのターニングポイントが存在する。

 まず1つ目は設立2年目の、個人向け相続ビジネスの立ち上げだ。設立1年目は司法書士の王道ともいえる、法人向けの登記サービスの提供、いわゆるBtoBビジネスに奔走していた同事務所。しかしニーズが多様化する時代、より顧客の思いに寄り添ったサービスを提供するため、故人の不動産相続手続きや預貯金の解約手続きといったBtoCビジネスに参入。核家族化が進む現代、遠隔地に住み容易に福岡を訪れることができない遺族の手続きを代行。大きな反響を得ることとなる。

 2つ目は、相続ビジネスの実績が認められ、金融機関から業務提携をもちかけられたことだ。これによって相続ビジネスが加速し、さらに業績も拡大。

 3つ目のターニングポイントは15年。いまや同グループの旗艦サービスとなった「民事信託サービス」の開始だ。

 設立から毎期、目まぐるしいほどの変革・成長を遂げてきた同グループ。今年1月には法人名を現商号に改めた。これを契機に、さらなる飛躍を決意、老若男女問わず、親しまれる法人を目指す。

 ちなみに、「みつ葉グループ」の由来は「三方よし(世のため、人のため、自分のため、すべてに『よし』となることを目指す)」と「三方一両損(3人がそれぞれ1つ損をして、円満に物事を納めること)」の「三」と、「言葉」の「葉」を掛け合わせたもの。「言葉」には、「『言葉1つで未来は変わる』という想いから、言葉を大切にする企業でありたい」という同事務所の想いが込められている。

 すべてがうまく運び、とんとん拍子で成長してきたように見える同事務所だが、開業当初は顧客を獲得できず、非常に苦しい思いをしたという。そもそも、なぜ、いきなりの開業だったのか。「司法書士事務所への就職活動をしたが、なかなか採用が決まらなかった」と島田氏は苦笑する。しかし、採用を得られなかったことが、逆に島田氏の闘志に火をつけた。結果は現在の姿を見れば一目瞭然。もし島田氏がどこかの事務所で雇用されていたら、今のみつ葉グループは存在していなかっただろう。また島田氏は自身について「非常に運が良く、人に恵まれた」と振り返る。当時23歳と若く、経験も浅い駆け出しの司法書士に銀行の融資が下りたことや、仕事の依頼が舞い込んだことなどは、たしかに幸運といえる出来事だったかもしれない。しかし、そこには島田氏の熱意と真摯な態度が生んだ信用が介在する。さらにここまでグループが拡大したことは、確実に島田氏の手腕と元来のビジネスセンス、努力の賜物だといえよう。

 島田氏は仕事に対して、「日々忙しいが、年を追うごとに面白さが増している」と笑顔を見せる。「法律上、司法書士に許される業務は限られている。しかし、お客さまのニーズをしっかりキャッチすれば、やれること・やらなければいけけないことは無数にある。事業はトライアンドエラーの繰り返しだ」

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:島田 雄左
所在地:福岡市博多区博多駅前1-1-1 博多新三井ビルディング8F
設 立:2013年9月
資本金:1,900万円
TEL:092-432-9911
URL:http://mitsuba-group.com

<プロフィール>
島田 雄左(しまだ・ゆうすけ)

 1988年生まれ、福岡県出身。中央大学卒業後、大手通信会社代理店の法人営業部に勤める。2012年に司法書士試験に合格し、司法書士事務所オフィス・ワンを開業。13年に法人化。近年は家族信託に力を入れ、16年に「家族信託の教科書」(税務経理協会刊)を上梓。セミナー・講演数は年間100回を超える。

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