2024年03月29日( 金 )

東証一部上場企業が認めた品質 社員一丸で、さらなる飛躍へ(前)

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ムライケミカルパック(株)

たしかな品質とたしかな技術

ムライケミカルパック(株) 村井 正隆 社長 

 環境適応型企業の代表格として知られるムライケミカルパック(株)。特殊塗料の製造・施工を主体とし、アスベスト除去工事なども手がける。なかでも老朽化したスレート屋根に塗布するだけで強度が蘇る「ケミカルカチオンパック工法」は、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」で紹介され、話題になっている。

 工場のスレート屋根は、雨、日光、炭酸ガスなどによって、年月が経つにつれて表面から老朽化が進み、黒く変色し、美観や強度が損なわれていく。しかも、材質の特性上、季節によっては内部の気温が高くなりやすい。また労働者の高齢化も進み、個々人の体力が低下しているなか、生産効率を落とすリスクも秘めている。

 大企業であれば、設備の改修に要する費用もまた大きくなる。規模によっては空調を入れ替えるだけでも数十億円の投資が必要となる。いくら景気が良いといっても大半は為替差益によるもの。企業の生産性が改善されているわけではない。工場を休んでまで、設備投資に投入するほどの余裕がある企業は少ないのが現状だ。

 同工法は、「従来にない強化・断熱複合塗料」として経済産業省の「新連携事業」に認定された独自工法。工場を操業しながら施工が可能なことが最大の特徴。スレート屋根・外壁のほか、折板屋根、屋上スラブ、コンテナ、貯蔵タンク、鉄道車両の屋根など、さまざまな分野で力を発揮する。

 スレート屋根の場合、化粧直しになるほか、強度を20~30%復元することが可能となる。3層構造からなり、反射・断熱効果により、屋根の表面はスレートで23度、金属は30度以上低減することにより、室内温度が4度以上も下がる。しかも、塗ることで表面が汚れにくくなり、金属屋根の場合は錆の進行を防ぎ、遮熱効果とともに折板屋根の雨音も低減。スレートに含まれるアスベスト粉塵を封じ込め、環境汚染を防止。当然ながら剥がしたり、交換することで産業廃棄物を生むこともない。

 同工法は、これらの悩みを一気に解決できる技術であり、企業によっては、一石二鳥ならぬ三鳥、四鳥と、その効果は絶大。導入した企業が、その良さを実感して継続利用することで、口コミが広がっている。

 昨年、同社は、JR西日本のグループ企業の(株)ジェイアール西日本ビルド(安全協力会)から感謝状を受けた。JR西日本の福岡県那珂川町にある新幹線車両基地の屋根に同工法による施工を行っているが、「事故0」だったことに加え、その実績を評価されたという。70社中の1社に選ばれたのは、同社の技術の賜物ではなかろうか。

 また、業務提携を結ぶ「新日鉄住金エンジニアリング」九州支社からは、「(グループ企業内で)施工後の結果が非常に良い」と評価され、今後のさらなる予算付けが検討されている。

 採用企業はYKKAP、JR九州、京王電鉄、南海電鉄、三井ハイテック、JR西日本、三井金属工業、GSユアサ、富士フイルム、ブリヂストン、東海カーボン、日本車輌製造、大電など名だたる大企業ばかり。現在は、元九州電力の資材担当部長を常勤顧問に据え、九電関連との取引も強化されている。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:村井 正隆
所在地:福岡県久留米市藤山町696-5
設 立:1967年4月
資本金:2億9,300万円
TEL:0942-21-7667
URL:https://www.murai.co.jp

<プロフィール>
村井 正隆(むらい・まさたか)

 福岡県三井郡北野町(現・久留米市北野町)出身。県立久留米高等学校卒。米国ニューポート大学大学院経営博士課程修了。1967年4月、ムライケミカルパック(株)を設立。99年、福岡市より市政功労者表彰。2007年、大韓民国より修交勲章崇禮章を叙勲。17年6月よりドリームスエフエム放送(株)の取締役に就任した。

(後)

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