2024年03月29日( 金 )

安倍首相には中国と友好関係を築く意思がない

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は安倍内閣が憲法を破壊し、米国とともに中国と戦争を行うための作戦を策定しようとしているとした11月5日付の記事を紹介する。


日中平和友好条約が発効して40周年を迎えた。しかし、日本の安倍首相は発効40周年にあたる10月23日、平和友好条約発効40周年を祝う式典ではなく、明治150年記念式典に出席した。
明治の延長上に昭和の侵略戦争がある。この侵略戦争について、日本政府は1995年に首相談話を発表した。
村山首相は、「過去の植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた。痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明」したのである。
日本の侵略戦争は明治の延長上に生じた出来事である。日中平和友好条約発効40周年の日に、明治150年記念式典に出席することの外交的意味を安倍首相は考えぬらしい。
そして、中国を訪問して習近平国家主席と会談した。しかし、習近平氏の表情は終始固いままであった。日中友好の意思は表示されなかった。その対応も当然のことであると考えられる。

安倍首相は訪中に先立って、9月26日に米国で日米首脳会談を行っている。この日米首脳会談後に共同声明が発表されている。共同声明では、「6.第三国の非市場指向型の政策や慣行から日米両国の企業や労働者を守るための協力を強化する。世界貿易機関(WTO)改革、電子商取引の議論を促進し、知的財産の収奪、強制的な技術移転、貿易を歪曲(わいきょく)する産業補助金、国有企業による歪曲化や過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処するため、日米または日米欧三極の協力を通じて緊密に作業していく。」と明記された。
この日米共同声明について、ハガティ駐日大使はメディアのインタビューに応じて、「中国が行動を改める必要がある。日米が知的財産権侵害など不公平な貿易慣行に連携して取り組むとした共同声明を歓迎する」と述べた。
訪中を目前にして安倍首相は、米国とともに中国を一方的に非難する共同声明を発表したのである。
この姿勢で日中首脳会談に臨んでも、得るものが少なくなるのは当然のことだ。

安倍首相は当初、日中平和友好条約発効40周年10月23日に訪中する計画を立てていた。しかし、中国側がこれを拒絶した。そして、安倍首相は習近平主席に、2019年の訪日を要請した。
この要請に対して、習近平氏は「前向きに検討する」と回答した。「訪日する」とは返答しなかったのである。
そして、安倍首相の帰国後、新たに発表されたニュースが、尖閣有事を想定した日米共同行動の策定である。
東京新聞は次のように伝えた。「複数の政府関係者が3日、尖閣諸島有事を想定して日米政府が2015年改定の日米防衛協力指針に基づき、自衛隊と米軍による初の対中国共同作戦計画の策定作業を進めていることを明らかにした。
軍拡を続ける中国に対抗し、一体化を加速させる日米の実態が一層鮮明になった。

※続きは11月5日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「日中戦争日米共同作戦を策定する安倍内閣」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

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