2024年03月29日( 金 )

肥後銀行が福岡エリアの営業を強化

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 肥後銀行の笠原慶久頭取は7日開いた記者会見で、九州最大のマーケットで成長性に富む福岡エリアでの業績拡大を図るため、企業向け貸出を強化する方針を明らかにした。
 金融持株会社の九州フィナンシャルグループ(以下FG)が福岡市博多区に建設中の「九州FG福岡ビル」の開業に併せて、2019年6月、同ビル内に福岡法人営業室を新設する。

 肥後銀行は福岡市内に、天神の福岡支店と南博多支店の2店舗を構えているが、新たに福岡法人営業室が加わる。福岡法人営業室の人員は14人とし、福岡市における行員は全体で42人と現状より7人増員し、陣容を拡大する。
今まで福岡支店と南博多支店は別々に法人外交をしていたが、大企業や中堅企業、地方公共団体向けのソリューション営業を福岡法人営業室に一本化するとともに、福岡支店と南博多支店はリテール主体営業体制に業態変更する。法人営業室を置くのは熊本市の本店営業部についで2カ所目であり、練りに練った戦略と思われる。
 笠原頭取は、「熊本と福岡の経済的な結びつきの強さ」を強調。福岡法人営業室は、「熊本と福岡の企業をつなぐ機能もはたし、観光需要を見込んだホテル進出や事業承継、M&Aといったニーズにも応える」とし、さらに「新たな拠点で九州全体の地域活性化に貢献しつつ、業績を伸ばしたい」と抱負を語った。

 【表1】を見ていただきたい。

この表から見える真の狙いとは

◆九州地銀18行のうち、FG・FHの傘下の銀行は11行。独立系ではあるが福岡中央銀行のトップは福岡銀行出身者であり、豊和銀行は西日本シティ銀行と親密な関係にある。この二行を除くと真に独立系の銀行は7行。内訳は第一地銀4行、第二地銀3行となっているのがわかる。

まとめ

 表から見えるように筑邦銀行は福岡県に多くの支店がある。また佐賀銀行は佐賀県を主体に福岡県にも多くの支店をもっている。地銀は利ザヤの縮小や人口の減少で厳しい状況にある。今後は単独ではなく、経営統合を進めないないと生き残れない状況にある。肥後銀行の福岡法人営業室の開設はまさに、将来の経営統合を睨んだ布石ではないだろうか。

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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