2024年03月29日( 金 )

職員募集周知されず 不透明な人事採用(1)~議会で追及も回答できぬ町

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福岡県宇美町

 「不透明な職員人事採用が行われているのではないか」――そう指摘がされたのは9月に行われた福岡県宇美町議会。ある町議の一般質問には、多数の傍聴者が駆けつけ答弁を見守った。問題視された職員募集について、町は明確な答弁ができずじまい。その後の取材で、職員募集は一部の関係者にしか知らされていないことがわかった。事情を説明するとして、11月に開催された全員協議会では町民や報道関係者の傍聴を認めなかった。開かれた議会はどこにあるのか。

9月議会

 「公平平等な人事採用ではない」――そう宇美町議会で指摘されたのは9月議会が初めてではなかった。昨年の議会で指摘された問題点を再度追及したのが9月7日の一般質問だった。町営施設の職員採用で不透明な人事採用が行われたとして、時任裕史町議が町の説明責任を指摘した。

 時任氏が指摘したのは、町が運営する最終処分場の過去の臨時職員募集について。2016(平成28)年度に処分場の位置する「明治町区」在住者の採用を優先するとしながらも、町は区内に募集情報が通知されたかどうか把握していなかったことを指摘。さらに処分場を監視する目的で設置された、構成員わずか6名の「明治町区環境監視委員会」内だけで周知された可能性があるとした。時任氏は公募状況を追及したが、人事担当の町総務課では回答できなかった。

採用されたのは町議子息

木原町長からの推薦願い
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 時任氏は「地元を優先すると言っておきながら区内で公募しないのは、公平平等ではない」と追及。採用した環境課は「選考後に(採用の)回答がきたので、詳細は把握していない」とした。時任氏はどのような経緯で臨時職員が採用されたのか、徹底した調査を求めた。

 時任氏が指摘した職員採用をめぐっては、15(平成27)年12月に木原忠宇美町長が明治町区環境監視委員会の白水英至委員長と明治町区の薬師寺真理子区長宛に、明治町区在住者から適任者を推薦してほしいと要望していた。推薦されたのは、宇美町町議でもある白水委員長の子息で、16(平成28)年2月に採用面接が実施され、同年4月から勤務していた。同職員は臨時職員として勤務後、競争試験を伴わない「選考」を経て、17(平成29)年4月から町の正規職員として採用されている。

(つづく)
【東城 洋平】

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