2024年04月20日( 土 )

【スクープ第2弾】圓應寺暴行事件、三木英信副住職の崩れた「言い訳」~宗徒登録せずに修行僧扱いで暴行

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京都市東山区にある、浄土宗総本山・知恩院

 藩祖・黒田官兵衛ゆかりの古刹・浄土宗「圓應寺」で起きた、三木英信副住職による弟子への連続暴行事件。圓應寺が「黒田藩の菩提寺」(同寺院HPより)と公称していることもあって、29日に地元テレビ局RKB毎日放送が夕方ニュースのトップで報じるなど反響が広がっている。 

 この暴行事件をめぐって、被害者の青年が浄土宗の僧侶(教師)になるために必要な「宗徒」登録されないまま、「僧侶になるための躾(しつけ)」として暴行を加えられていたことがわかった。全国の浄土宗寺院を統括する総本山「知恩院」(京都市東山区)の宗務庁が29日、京都市内でNetIB-Newsの取材に応じて明らかにしたもの。

 浄土宗宗務庁によると、浄土宗の僧侶(浄土宗の「教師」)資格を得るために必要な、総本山で行われる修行(毎年約3週間の合宿修行を3年間)に参加するには、事前に宗徒(僧侶)として宗務庁に登録される必要があるが、青年が暴行を受けていた2016年当時から現在まで、青年が宗徒登録されたことはないという。

 三木副住職は暴行を加えた理由として、弁護士を通じて「僧侶の資格をとるためには、京都の大本山の修練道場にて3年間集団生活を経たうえで、さらに知恩院で修行を積むことが求められる」とし、被害者青年を「集団生活を送ることができるようなレベル」に上げるための躾がエスカレートしたと主張している。しかし、宗徒として登録されていないまま圓應寺で修行を続けても総本山で修行することはできないため、三木副住職の主張する「躾」の根拠が崩れたかっこうだ。

 さらに、三木副住職が修行に耐えるために必要としていた厳しい躾や暴力についても、浄土宗宗務庁は、「そもそも浄土宗の修行においては、たとえば滝行や警策(座禅の際に背中などを叩く)などの、一般の方が想像するような身体的過酷さを伴うような修行はほとんどありません。修行中の体罰については、いっさいを禁じています」と証言する。

知恩院そばにある浄土宗宗務庁は、全国7,043寺院の包括法人
僧侶や檀信徒に関係する様々な事務を執行する

 三木副住職は浄土宗の「教師」資格を得て約30年(浄土宗宗務庁による)の経験を持つ僧侶であり、宗徒の登録制度や修行時の暴力禁止についても当然知っていたはずだ。しかし、そのことは被害者青年や家族には伝えられておらず、僧侶にするためと称して「ボッコボコ」(三木副住職が被害者青年の母親に送ったメールより)と表現するまでの暴力を加えていた

 宗徒登録されていなかったという事実は被害者家族に衝撃を与えており、被害者青年の母親は、「(暴行被害を受けた)本人は『大本山に行かせてもらうため』と思って過酷な暴力を我慢していた。家族も本人の夢を実現するためと思って耐えてきたが、僧侶になることができないのに修行と称した暴力を加えるとは、あまりにもひどすぎる」と泣き崩れている。

 三木副住職は、暴行事件を伝えた29日放送のニュース番組「今日感テレビ」(RKB)のなかでインタビューに応じ、「一人前の坊さんに育てるための指導がいきすぎてしまった」と答えているが、被害者青年を宗徒登録していなかったことや浄土宗で修行中の暴力が禁止されていることには触れていない。

 圓應寺は暴行事件について説明するため、12月2日に檀家総会を開催することを決めている。檀家総会は通常、檀家以外の出席を認めないため、三木副住職側の言い分をもとにした一方的な説明がなされる可能性が高い。実際、三木副住職が代理人を通じて明らかにしている「暴力行為の事情説明」は、被害者側の見解と大きく異なる部分が多い。

 NetIB-Newsでは今後、三木副住職の暴力行為がどのように行われたかという詳細に加え、被害者家族に対する常軌を逸した言動や、さらに複数の「煩悩」をめぐる三木副住職のあきれた行状について報じる予定だ。

【特別取材班】

 
 

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