2024年04月25日( 木 )

行橋市の社会福祉法人「友愛会」に市が改善勧告

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 福岡県行橋市にある特別養護老人ホーム「今川河童苑(かっぱえん)」と特定施設「いまがわ秋桜(こすもす)ガーデン」を運営する社会福祉法人「友愛会」(福岡県行橋市)が、入所者数の伸び悩みにともない、経営難に陥っていることがわかった。現在、同施設は水道料金を滞納しているほか、給与未払が原因で介護職員が退職する事態が起きており、市は友愛会に対し、社会福祉法に基づく改善勧告を11月28日付で出している。

 市の担当職員によると、同施設は10月と11月分を合わせた合計2カ月分の水道料金の支払を滞納中。市は11月30日時点で支払がない場合は供給を止めるとしていたが、同日時点で支払が確認できなかったため、12月3日に供給停止の措置を取った。2つの施設には合わせて28名の入所者がいたため、市は入所者の安全確保の観点から同日中に供給を再開したものの、依然として水道料金の支払は滞ったまま。現時点で支払いに関する連絡や相談は来ていないという。

 また、同施設で働く介護職員のうち、給料のおよそ2~3カ月分が支払われておらず、それが原因で8名の職員が11月をもって退職していたことも判明した。なお、退職した元職員から労基署に届け出があったかについて、行橋労働基準監署の担当者は、「(本件について)現時点ではお答えすることはできない」と話している。

 現在施設には18名の介護職員が入所者の世話などを行っているとのことで、市の職員が毎日訪問を実施し、状況を注視している。市は改善勧告にともない、12月17日までに人員配置の適正化、理事会開催により事態の正常化を図れなければ、改善命令に切り替え、市のHP上に公表するなど厳しい措置を講じるとしているが、それでも改善の兆しが見られない場合、入所者の安全確保の観点から業務停止の措置を講じ、入所者を別の施設に移送することも検討している。

【長谷川 大輔】

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