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2018年12月12日 15:10

【圓應寺暴行事件】被害者家族の日記から判明 常軌を逸した「修行」

 福岡市中央区の浄土宗「圓應寺」で発覚した三木英信副住職による弟子への暴行事件。NetIB-Newsでの報道を皮切りに、地元メディアが一斉に報じた。三木副住職は、他社の取材に対して「一人前に育てたいがために、行き過ぎた指導だった」と暴行の事実を認めてはいるが、データ・マックスが入手した記録からは常軌を逸しているとしか思えない行為がうかがえる。

 事件当日を整理する。寺での最後の「修行」となったのは、今年5月14日。空腹に耐えかねた青年が弁当を食べていたことを発端に三木副住職の暴行が加えられた。暴行を受けた青年は意識朦朧となりながら帰り道がわからなくなり、タクシーで帰宅してすぐに救急搬送された。

 被害者家族への取材では、三木副住職による日常的な暴行が明らかとなっている。しかし「躾」と称する体罰が始まったのは、1年半も前のこと。事件発生までをまとめると以下のようになる。

 データ・マックスが入手したのは、被害者青年の母親がスマートフォンに残した修行に関する記録。今年に入ってからのもので、毎日ではないものの、約60日分記録されていた。1つひとつに目を通していくと、常識的には考えられない「理不尽」の数々がわかってきた。

休み無し

 4月10日の記録には、「(息子)1カ月ぶりの休み」とある。その前の休みを調べると、3月9日まで遡る。つまり、1カ月間無休で寺に通っていたことになる。僧侶になるためには厳しい修行が必要だというのはわかるが、1カ月間1日の休みなく修行する必要がはたしてあるのか。一方で指導する側の三木副住職は休みを取っていたという。寺に通い始めてから、最後の日まで約800日、休みはわずか70日あまりしかなかった。

青年のメモ1
※クリックで拡大

昼食抜き

 記録にたびたび登場するのが、「昼食を食べさせてもらえない」という旨の内容。昼食用の弁当は持参するものの定時に食べさせてもらえることはほとんどなく、夕方や帰宅前に詰め込むように食べていたという。副住職の許可がないと昼食を食べられないことになっており、弁当箱を空にしないと食べさせてもらえていないことが家族にわかるため、帰宅直前に強制的に食べるよう命じられたこともあったという。

長時間拘束

 青年は朝7時15分頃には寺で掃除をするのが日課になっていた。そのため、家を出るのは朝6時台。帰宅時間はまちまちだが、記録を読めば総じて遅いことがわかる。午後10時や11時に帰宅することもあり、遅い時は深夜2時という記録も残っている。「まだ帰らない」「今日も遅い」「13時間以上勤務が続いている」「体がいつまでもつのか」――母親の心配や不安な気持ちも綴られている。副住職が飲み会で夜遅くなる時でも、副住職が戻るまで居残りさせられたこともあったという。

青年のメモ2

暴力・暴言の数々

 浄土宗では、修行中一切の体罰を認めていない。失敗や誤ちを叱ることはあっても、いかなる理由があっても暴力は禁止されている。それにもかかわらず、母親の記録には副住職による日常的な暴力を具体的に表す記載がある。「障がいのある腰を踏みつけられ、痛がる」「蹴られてメガネのフレームが伸びた」「殴る蹴る竹刀でも」「背中や腕は見ていられないほどのアザ」など。青年の家族が殴られたことを初めて知ったのは一昨年の夏頃。それでも修行の一環だとして、青年も家族も耐えてきた。母親の日記でも暴行がエスカレートしていることがわかる。加えて、暴言の数々。本人のみならず両親を罵倒する三木副住職の言葉に、青年は精神的にも追い込まれてく。

青年のメモ3
※クリックで拡大

母親の気持ち

 「心配」――母親の記録に何度も登場する言葉だ。一方で、母親が安堵している内容もある。「今日は殴られていない」「弁当を食べさせてもらえた」「今日は早く帰れた」――普通のことばかりであるにもかかわらず、特記するということは、修行がそれだけ常軌を逸していたということだろう。初期の記録では、不満を表しつつも我慢をしてきた母親だが、今年3月から頻繁に出てくるのが「訴えたい」「誰か訴えてほしい」「誰か助けてください」というもの。殴られ、傷つけられた息子はそれでも休むとは言わない。それだけ僧侶の道をまっすぐ目指していたからだ。「その気持ちを止められなかった」と両親は後悔するが、胸のうちではすでに助けを呼んでいたことがわかる。

 事件として表面化したのは、5月14日の暴行についてだけ。警察への被害届も当日の暴行を訴えたものだ。しかし実際には目を覆いたくなるような言動が閉ざされた修業の場で繰り返されていた。 
 三木副住職は複数のメディアや関係者に対し、自身の行為を正当化するような発言をしていることもわかっており、被害者家族は二次被害とも言うべき三木副住職の「詭弁」に振り回されている。あたかも被害者に非があったかのような言い訳に終始する三木副住職だが、仏の道を歩む者にふさわしい人物なのか。次回は三木副住職の言動と過去について検証したい。

【東城 洋平】

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