2024年03月29日( 金 )

「MARK IS 福岡ももち」グランドオープン!新モールの真の魅力に迫る

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 三菱地所(株)が満を持して手がける「ホークスタウンモール」跡地の再開発事業。開業初日には約2,000人が列をつくり、その注目度の高さを証明した。旧モールと「MARK IS 福岡ももち」との違いは何か、そして地域にとっての役割とは――。

天神以西、福岡市内最大級

 2016年に閉館となった「ホークスタウンモール」。その跡地の再開発事業として、18年11月21日にグランドオープンを迎えたのが「MARK IS 福岡ももち」だ。

 三菱地所(株)が手がける商業施設ブランド「MARK IS(マークイズ)」は、静岡と横浜みなとみらいで展開しており、福岡ももちは全国3施設目。約4万8,000m2の店舗面積に163のテナントが集積しているが、うち新業態が9店舗、県内初出店が44店舗、商業施設初出店が19店舗と、西日本初進出でありながら、マークイズブランドとしても最大規模を誇る。天神以西では、福岡市内最大規模の商業施設だ。

 九州初進出となるカリフォルニア発のコンセプトストア「RHC Ron Herman」や、「TSUTAYA BOOKSTORE マークイズ福岡ももち」といった人気ショップを筆頭に、4DXを導入したシネマコンプレックス「ユナイテッド・シネマ福岡ももち」や、VRを体験できるマシンも併設するアミューズメント空間「namco」など、最新テクノロジーで遊べる施設も注目を集めている。

 また、ライブホール「Zepp Fukuoka」はホークスタウンモール閉館以来再オープン。収容人数1,500人という福岡エリア最大級のキャパを誇る、音楽ファン待望の施設だ。

周辺市民が日常使い

 福岡の新たなランドマークとしてオープンした「MARK IS 福岡ももち」。重要なのは、継続的に発展・成長をしていくことだろう。そこで気になる点の1つが、旧モール「ホークスタウンモール」との明確な違いだ。

 三菱地所(株)の商業施設開発部部長・高橋哲也氏によれば、「地域に溶け込み、地域の方に愛されるため、1階部分は生活に密着したフロアになっています。日常使いできるスーパーのハローデイ、ユニクロ、ドラッグストアなど、周辺住民の方にとって使いやすい存在になれるのではと思います」という。

建設中の「ザ・パークハウス福岡タワーズ」

 さらに、施設のすぐそばには現在、全584戸の大型分譲マンション「ザ・パークハウス福岡タワーズ」が建設中。19年にはWEST棟、20年にはEAST棟が完成する。つまり「MARK IS 福岡ももち」は、ここを中心とする豊かな暮らしを提案する、集合住宅が一体となった一大プロジェクトというわけだ。福岡ヤフオク!ドームでの試合やイベントのときだけに限らず、平均的な集客を狙った仕掛けが、旧モールとの最も大きな違いといえそうだ。

 2点目は、周辺の渋滞問題だ。休日やイベント時の渋滞は、以前から大きな課題だった。同社ユニットリーダーの浜屋省吾氏は、「福岡市や警察と協力しながら、渋滞問題解決に取り組んできました。まずハード面では、施設から伸びる歩道橋が2カ所あり、歩行者の分散が可能です。さらに、よかトピア通りに新たなバスカットができましたし、駐福岡大韓民国総領事館側の通りには左折専用レーンをつくりました。ソフト面としては、今までドームとモールは共同の駐車場だったのですが、今回はそこを切り離したかたちにしています」と、渋滞対策について話した。

渋滞緩和にシャトルバス運行

 最後に3点目は、天神や博多などからの集客だ。館長・安部郁夫氏は、次のように考えているという。「天神や博多は、すでに福岡を代表する商業施設が複数ありますが、このモールは、独自の過ごし方ができるのが特徴です。福岡・九州初出店のテナントやライブハウスなどはもちろんですが、海に面した百道エリアには、都会では感じられない非日常の空気感が漂っています。ショッピングだけではなく、この周辺一帯も含めて楽しく過ごせると思いますので、遠方からでも気軽にきてほしいですね」。

 気軽さという面で気になるのは、車以外でアクセスする方法だ。最寄りの地下鉄・唐人町駅からは徒歩10分以上かかるが、同駅からは曜日限定でシャトルバスを運行するという。これも旧モールから改善した施策だ。

 ほかに、Wi-Fiやコンセントを完備した休憩室、パウダールーム、面談室、従業員特典や懇親会の開催など、ここを訪れるお客に対してだけでなく、施設運営を支える従業員満足度の向上を図る設備や施策も盛り込まれているという。

 11月15日に開催された竣工祝賀会で、三菱地所の吉田淳一社長は、「当モールのコンセプトは、『モモチゴコチ~まいにちも、とっておきも。』です。地域の新たなランドマークとして、また、地域の皆さまに愛される存在になれればと願っています。そして、ここから福岡を盛り上げていくことも大いに期待しています」と話した。

 「MARK IS 福岡ももち」が福岡の新たなランドマークとして存在感を発揮し、地域の魅力向上にも寄与できるか、今後の動向にも引き続き注目していきたい。

【森川 和典】

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