2024年04月25日( 木 )

【福岡市政インサイダー情報】ロープウエーの夢は、夢のままで

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 1月9日に有識者会議の福岡市ウォーターフロント地区アクセス強化研究会が、「博多港と博多駅の間にロープウエーを設置するのが望ましい」なんて、市長の公約にお墨付きを与えちゃったんだけど、職員からしたら「ああ、そうでしょうね」なんてしらけた感想しか持てない。

 だいたい役所の交通機関の需要予測なんて、かなり盛ってるから、当てにならないんだよね。需要予測をはじき出すコンサルタントは、普通クライアントである役所の意向に従って成果品を仕上げるものだし、少なくとも忖度はしないと次からお仕事が来なくなっちゃう。で、役所としては、国から補助金もらって、交通機関さえできればしめたもの。需要予測がはずれても(当然はずれるんだけど)「ありゃ、はずれちゃったね。テヘペロ」ってなもんで誰も責任なんかとらない。一般論としてね。

 11月の市長選の出口調査では63%の人がロープウエーに反対だったらしいんだけど、市としては「市民の理解が得られるように、これからていねいに説明していく」ことになるんだろうね。市民からしたら「いや、いらんちゅうとんねん!」ってとこなんだけど、あたかも市民がバカだからわかってくれない的な感じで押し切っていくんだろうな。腹が立つ人は、次の統一地方選では、ロープウエーに対する各候補の考えをよく検討してから投票したらいいと思うよ。

福岡市のウォーターフロント地区

 ウォーターフロント地区なんて、多くの市民にとっては、そんなに足を運ぶところじゃないし、マリンメッセからのコンサート帰りの若者なんかは、余韻に浸りながら蔵本町や呉服町あたりまで歩いてる。「いや、ロープウエーとかいらんやろ。そんな高い金出して誰が乗るねん。遊園地のアトラクションか」っていうのが市民の率直な意見じゃないかな。

 ロープウエー構想の言い出しっぺはJR九州で、運営もやりたいみたいなんだけど、何にしても市の負担がゼロというわけにはいかないと思うんだよね。JR九州がロープウエーをつくって運営、市は土地を無償貸付、運営補助金も出しますって感じになるんじゃないかなぁ。俺の勝手な予想だけどね。

 今はブイブイいわせてる福岡市にしても、やがて人口は減っていくし、観光客も頭打ちになるだろうから、これからはそれに備えて、いらん施設はもたないほうがいいと俺は思うよ。

 未来を背負う子どもたちのためにも、市長の夢は、夢のままであってほしいな。

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