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2019年02月05日 09:18

激突!伊藤忠がデサントに敵対的TOBへ まず、デサントの御曹司を担ぐ「番頭4人組」の追放だ!(中)

隠しどりテープを流して信用失墜

 その直後から、伊藤忠はデサント株の買い増しを始めた。伊藤忠は18年3月期末時点で、デサントの発行済みの25.0%を保有する筆頭株主だった。持ち株比率は7月6日に26.0%、8月27日に27.7%、10月29日に29.8%に高めた。

 企業がほかの企業の株を買い増す場合、関係悪化を招かないように、事前に知らせることが普通。この買い増しについて、伊藤忠はデサントに事前に連絡しなかった。

 対抗して、デサントはワコールホールディング(HD)と8月30日、業務提携した。ワコールHDを、伊藤忠の防波堤にする「ホワイトナイト」(白馬の騎士)とメディアは報じた。

 そして、デサント側が仕掛けたのが、岡藤会長と石本社長の会談の一部始終を隠しどりした録音テープを「週刊文春」に流すことだった。関係者によると、石本社長が、伊藤忠に対抗するため、指南役に招いたジャーナリスト出身の危機管理コンサルタントが仕掛けとされる。このコンサルタントはマスコミを利用した情報操作に長けているそうだ。

 隠しどりした録音テープには、岡藤会長の「恫喝」ぶりを生々しく伝えている。仕掛けた側は、デサントをいじめる大企業・伊藤忠の横暴を世にしらしめる狙いがあったようだが、逆効果だった。

 トップ同士の会談を秘密裏に録音し、週刊誌に流す非常識に、それまでデサントに同情的だった企業が距離を置いた。ホワイトナイトを期待したワコールHDは、「資本関係を結ぶことはない」と否定する談話を出した。

 デサントは同業他社のアシックスや国内の投資ファンドに株をもってもらうよう働きかけていたが、いずれも「君子危うきに近寄らず」とそっぽを向いた。

 デサントは、隠しどりテープを流したことで、信用を失った。あまりにも軽率な行為だった。「恫喝テープ」を流された岡藤会長は怒り心頭だ。伊藤忠がTOBに踏み切る引き金になったのは、この恫喝テープ事件だった。

伊藤忠に救済されたデサントの過去

 デサントは1935年、石本雅敏社長の祖父、石本他家男(たけお)氏がグローブなど野球関連商品を製造、販売したのが始まり。その後、野球用のニットのユニフォームを開発し、1968年に中日ドラゴンズが採用したのを皮切りに、多くのチームに供給した。

 デサントと伊藤忠の関係は古い。1964年にデサントは伊藤忠とともにゴルフウェアの米マンシングウェアと提携。ワンポイントのロゴを入れたゴルフウェアのマンシングウェアの発売で、ワンポイントブームの火付け役になった。

 デサントは、伊藤忠に2回救済された。1984年、デサントはマンシングウェアの過剰在庫を抱えて経営難に。創業家の2代目の石本恵一(よしかず)社長が伊藤忠に支援を要請。伊藤忠は繊維部門の飯田洋三氏を役員に派遣。飯田氏は1994年、デサントの社長に就任した。

 1998年、創業以来最大の危機がデサントを襲った。ドイツのスポーツ用品メーカー、アディダスが1998年に日本法人を設立するのにともない、デサントはライセンス契約の打ち切りを通告されたのだ。デサントはアディダスの国内での企画、販売を一手に引き受けていた。当時、1,000億円あった売上のうちアディダス製品の売上高はおよそ400億円。それをごっそり失う。

 未曾有の危機に、伊藤忠はデサントの再建に乗り出す。2000年、伊藤忠はデサント株の11.4%を取得。2002年に副社長・田尻邦夫氏をデサントの社長に送り込んだ。田尻氏は改革を断行。2007年、伊藤忠の常務執行役員・中西悦朗氏がデサントの社長に就いた。

 2008年には、伊藤忠はデサント株の19.4%を取得し、持ち分法適用会社に組み入れ関係を強化。伊藤忠は2010年、デサント株を買い増し、発行済み株式の25.0%を保有する。

(つづく)
【森村 和男】

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