2024年04月20日( 土 )

細野豪志議員の二階派「特別会員」を検証する

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 細野豪志氏は2000年6月の第42回衆議院議員総選挙に旧静岡7区から民主党公認で出馬し初当選した。選挙区の区割変更が実施された2003年の衆議院選挙では静岡5区で当選。以後野党を転々とし無所属となっていたが今年1月、無所属のまま自民党幹事長の二階俊博が主宰する二階派の「特別会員」となった。

~二階派の見方~
◆行き場を探していた細野議員に対して、拡大路線を取る二階派は「来る者拒まず」と双方の利害が一致。これまでも「特別会員」として入会させ、次の選挙で当選すれば、晴れて自民党議員になるという手法で二階派は勢力を拡大してきたのだ。
◆二階氏が会長に就任した際には二階派は28人だったが、今は44人にまで拡大している。こうしたやり方に党内から反発の声が挙がっている。とくに、細野議員の選挙区には岸田派の元衆議院議員がおり、党の公認をめぐってもめることは必定であるが、二階派からは「数は力だ」と強気の声ともに、幹事長の力を見せつける良いチャンスであると捉えているようだ。

~細野豪志の戦略を検証する~
 二階派の「特別会員」となった細野議員は2月4日、東京都内で政治資金パーティーを開き、「自民党のなかで自分の政策の実現を目指す」と、改めて自民党入党に意欲を示した。パーティーには二階派を代表して河村建夫会長代行が出席。「政界では昨日の友は今日の敵であり、昨日の敵は今日の友ということもある」と述べ、「これまでの経験を政界に生かし、いずれトップに立っていただきたい」と「将来の総裁候補」と持ち上げ、エールを送ったという。

【表1】、【表2】を見ていただきたい。
<この表から見えるもの>
◆政党別の国会勢力図である。圧倒的に自民党の数が多いのがわかる。そのなかで自民党の派閥構成を見ると、二階派は自民党内5番目の勢力となっている。志帥会を率いる二階俊博議員は79歳で一番の高齢となっており、代表交代はすぐ近くにあるようだ。

【表3】を見ていただきたい
<この表から見えるもの>
◆志帥会のメンバー表である。44名の衆参議員のうち、70歳以上の議員は11人となっており、今後世代交代が急速に進むものと見られる。
細野豪志議員が二階派の「特別会員」を選択した裏には、他党から二階派に入った小泉龍司議員、山口壮議員、鶴保庸介議員もおり、よそ者の自分が二階派の領袖となることを拒むものはないとの、「したたかな読み」があったからではないだろうか。

※クリックで拡大

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

関連記事