2024年03月29日( 金 )

賃金統計まで改ざんする悪夢の安倍内閣

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「アベノミクスで国民の生活は台無しになった」と安倍政権を批判した2月10日付の記事を紹介する。

 2月10日、自民党が都内で党大会を開催し、安倍首相が挨拶した。12年前の2007年、第一次安倍内閣は参院選で惨敗した。12年に一度の亥年は統一地方選と参院選が重なる政治決戦の年である。

 2007年は年金記録不正問題に焦点が当たり、安倍内閣が適正な対応を示せず、参院選で大敗した。この参院選結果を受けて第一次安倍内閣は総辞職に追い込まれた。

 安倍首相はこのことに触れ、「亥年の参院選で我が党は惨敗を喫した。当時総裁だった私の責任で、このことは片時たりとも忘れたことはない」と述べた。

 2007年の参院選で第一次安倍内閣与党は過半数を失い、衆参ねじれ状況に移行した。それから2年後、2009年8月総選挙で民主党が大勝し、鳩山由紀夫内閣が樹立された。このことについて安倍首相が言及した。

 「我が党の敗北で政治は安定を失い、そして悪夢のような民主党政権が誕生した。決められない政治、経済は失速し、後退し低迷した。

 若い人が頑張ってもなかなか就職できない仕事がなかったあの時代、地方でも中小企業の倒産件数が3割も多かったあの時代、人口が減少していくから成長なんかできないとあきらめていたあの時代に、戻すわけにはいかない」
自分の失敗を棚に上げて「悪夢のような民主党政権」と表現するのはいかにも下品だ。

 多くの主権者は現在の安倍内閣について「悪夢のような安倍内閣」と感じている。

 安倍首相は前回の最長期間だった「いざなみ景気」(2002年4月~2008年2月)と今回の景気拡大期間を比較して成果を強調した。また、名目GDPについて、いざなみ景気の期間中は2.5%の成長だったが、今回は6年間で10.9%伸びたと自画自賛。

 地域別の景況状況について、日銀のデータをもとに、前回期間(6年1カ月)の残り5年間に「プラス」で推移したのは関東と東海だけだったが、今回は北海道から九州・沖縄まで9つの地域が5年連続「プラス」で推移しているとアピールした。

 都合の悪い部分には一切言及せず、アピールできる部分だけを強調して繰り返し自画自賛する。まさに「広告代理店の主張」そのものの安倍首相の自己アピール。「かたはらいたし」とはこのような情景のためにある言葉だろう。

 「アベノミクス偽装」が国会でも取り上げられて、事実を正確に把握する国民が増えている。「景気回復の実感がない」のではなく、「景気回復の事実がない」というのが真実だ。アベノミクスで国民の生活は台無しになっている。

※続きは2月10日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「安倍政治NO主権者連帯で安倍内閣はご臨終」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

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