2024年04月19日( 金 )

クレジットカードのさらなる進化(前)

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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 買い物など日常のあらゆるシーンで、クレジットカードでの支払いが行われている。さらにインターネットの進化で、非対面決済が多くなった現在では、クレジットカードは社会生活に欠かせなくなっている。

 クレジットカードは先進国ほど、普及率が高く、活用されることが多い。クレジットカードは、カード保有者の信用によって、 財布のなかに現金がなくても、商品購入などの決済が後払いできるので、とても便利である。

 今回はクレジットカードの歴史を振り返り、クレジットカードがどのように進化しているかを取り上げてみよう。

 1950年、アメリカで「ダイナースクラブ」が発行した「チャージプレート」がクレジットカードの始まりである。ダイナースクラブの次に、1958年にビザカードの前身とアメックスが、1966年にはマスターカードが誕生している。

 このようにクレジットカードはアメリカで誕生し、成長を遂げた後、世界中に普及している。その結果、世界5大カードはJCB以外、すべてアメリカの会社である。

 現在、クレジットカード以外にもポイントカードなど、複数のカードを保有している人が多い。とくにアメリカ人はその傾向が顕著で、平均9枚のクレジットカードを保持しているという。ちなみに、日本人は3.2枚だ。

 アメリカ人のクレジットカード所有率は9割強で、使い方は、リボルビング払いが基本のようだ。複数のカードをもち、支払い限度額を最大限に抑えながらクレジットカードを使っているという。

 このような状況下、複数のカードをもち歩く煩雑さを解決するため、複数のクレジットカードを1枚に束ねることができるカードが誕生している。

 COIN(コイン)やPlastc(プラスチック)といわれたカードタイプの製品である。

 このカードは10枚のカードをもっている方ならば、カード情報を1枚のカードにまとめることができ、その1枚のカードで10枚のカードが使える。また、スマホの普及によって、クレジットカードをもち歩く代わりに、クレジットカードをスマホに入れようとする試みもある。そのような製品としてアップルペイなどがある。

 アップルペイの誕生には別の背景もある。ご存知のようにクレジットカードには、大きく分けて2種類がある。磁気タイプのカードと、ICチップのカードである。ところが、磁気タイプのカードはスキミングによって、簡単に複製されてしまうことが問題になっている。

 それを防止するために誕生したのが、ICチップを搭載したICカードである。ところが、ICカードの普及には大きな障害がある。磁気カードは原価が100円くらいである反面、ICカードの製造原価は400円~500円くらいになり、発行コストが高くなることだ。

 それだけではない。店舗側では端末などを変える必要があり。コスト負担が膨大になるので、導入に躊躇せざるを得ない。

(つづく)

(後)

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