2024年03月28日( 木 )

2019年度までに2兆500億円を投資、ビジネスモデル革新には1,000億円の投資枠(前)

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三菱地所(株)

 三菱地所(株)は5月11日、2017年度から19年度にかけての中期経営計画を発表した。総額2兆500億円の投資の内訳は、ビル事業5,000億円、生活産業不動産事業2,000億円、住宅事業8,500億円、海外事業4,000億円。そして全社横断的なビジネスモデル革新のために1,000億円を投資することも明らかにした。今回発表された中期経営計画を基に、同社の経営戦略をレポートする。

驚きをもって迎えられた1,000億円投資枠

 三菱地所(株)が発表した中期経営計画のポイントは、「前中期経営計画期間までの収益基盤強化の成果を利益として具現化」「環境変化の加速をチャンスととらえ、2020年代のさらなる成長に向けたビジネスモデル革新を推進」の2点。

 「これまでの強みを生かすことは当然ですが、加速を続ける環境変化のもとで、従来と同じビジネスだけを漫然と続けていては、持続的な成長はやがて限界を迎える可能性があります。弊社が携わってきた膨大な不動産アセット、ブランド力、強固な財務基盤を活用しつつ、時代の変化を先取りして価値創出に向けて新たなステージに向かっていきます」(同社広報部)。

 1,000億円の投資枠については、中期経営計画での大きな利益は見込まず、長期的な投資として位置づけており、場合によってはM&Aという可能性もある。

 「具体的な投資先は未定」(同)とする一方、「たとえばですが、今後期待されるカジノ分野、他にも空港とリンクしたリゾート事業を含め、成長が見込まれる観光業での需要の掘り起こしなどが考えられ、それにともなう施設の提案もあるかもしれません」(同)。
 18年10月に開業予定となっている沖縄県宮古島市の下地島空港施設整備は、同社が旅客ターミナル施設などを新たに整備、運営を担うことを沖縄県と合意している。この事業が成長モデルの1つとして考えられる。

 ストックの有効活用も注目される。「新築・改築だけではなく、中古のビル市場では、テナントのニーズを見定めたうえでリノベーションを行うReビル事業を展開してきましたが、これも成長モデルの1つとしての可能性があります。弊社の本社である大手町ビルもリノベーションすることが決まっています。今般、弊社と(株)三菱地所設計に専門部署を設立させ、グループ全体でビルリノベーション事業を強化します」(同)。

(仮称)彩都もえぎ物流施設計画完成時の外観イメージ

(つづく)
【長井 雄一朗】

 
(中)

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