設計・監理を通じ住空間の再生に寄与、区分所有者の要望を満たす
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10年にわたり検討されてきた「藤崎公団住宅」マンション建替え事業。プロジェクト遂行にあたっては、区分所有者の思いや関係する法律との調整など、さまざまな課題を関係者が一丸となって解決していかなければならない。今回、同事業に設計・監理として携わる(株)雅禧建築設計事務所に話を聞いた。
建替えプロジェクトへの思い
「藤崎公団住宅」マンション建替え事業では、2016年に事業協力者の選定が実施された。これまでの実績やコンペでの提案などが区分所有者に評価され、最終的に三菱地所レジデンス(株)、福岡地所(株)、積水ハウス(株)、そして(株)雅禧建築設計事務所が属するグループが選出された。
「住居棟は建替え前と同様の南向きの平行配置案を採用しました。どのグループもこの点に関しては同様の提案だったのではないかと推察しています。我々も建設コストを下げるためにL字型案等も検討を行いましたが、最終的には平行配置案を提案することになりました。組合の選考の結果、当グループがプロジェクトを担当させてもらうことになりました」(早田代表)。
区分所有者からの支持を受け、いよいよ始動する「藤崎公団住宅」マンション建替え事業。実は、雅禧建築設計事務所にとって今後の事業展開における試金石であると同時に、再チャレンジの機会でもある。「隣接の『レジデンス百道(旧:藤崎住宅)』建替え事業にも、弊社はエントリーしていましたが、同事業に携わることはできませんでした。弊社としましては、やっと建替え事業に携われる機会をいただけたという思いもあります」(早田代表)。
最高の住空間提供に向けて
数多のマンション設計・監理実績を持つ同社だが、マンション建替えに関しては今回の「藤崎公団住宅」が初の案件となる。
「区分所有者の方が100人いれば、当然100通りの意見が出てきます。個別の意見をすべて取り入れることはできませんが、これを調整するには膨大な時間とコミュニケーション能力が必要となります。私たちも今後3年間におよぶプロジェクト期間のなかで、個別の設計変更など対応しなければならないことが山積みです。さらなる人材の確保も必要です。決して容易なプロジェクトではありませんが、だからこそ私たちにとって特別な経験になりますし、次の事業展開への大きな足がかりになります。区分所有者の皆さま、建替えを機に新たに住まわれる皆さま双方にとって、建替え後も長く住んでいただけるクオリティの高い住宅を提供してまいりたいと考えています」(早田代表)。マンション建替え事業を成功させるために最も必要なものは人間関係の醸成だ。現在、区分所有者と同社を含む事業協力者間で、定期的に説明会が開催されている。密なコミュニケーションが生み出す最高の住空間提供、そして周辺地域の魅力向上――今、マンション建替え事業が不動産再生に果たす役割は大きい。
【代 源太朗】
<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡市中央区赤坂1-12-15読売福岡ビル4F
設 立:1978年9月27日
資本金:1,000万円
URL:http://www.masaki-archi.co.jp法人名
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