上場企業が集中する福岡市の魅力を検証する（5）

　九州・沖縄8県の上場企業116社のうち、福岡県に本社を置く上場企業は81社となっている。そのうち、福岡市に本社がある企業は52社で、福岡市以外に本社がある企業は29社となっている。上場企業が県内のどのような地域にあるかを見てみることにしたい。

【表1】を見ていただきたい。

〜この表から見えるもの〜

　・福岡市を除く福岡県の上場企業は29社。このうち、福証と東証などと重複する上場企業は18社となっている。福証に単独上場している企業は6社で、Q-Boardへの上場はプラッツ（大野城市）1社だけとなっている。

　・福証以外に上場している企業は11社あり、福証上場企業の比率は62.1％となっている。

　・地区で見ると、北九州市に本社がある企業が17社で圧倒的に多い。北九州市のなかでは小倉北区が7社。八幡地区は6社（西区5社・東区1社）となっており、鉄で栄えた名残が今も生きているようだ。

　・次に上場企業が多いのは福岡市に近い糟屋郡で4社。以下、久留米市と朝倉市の2社。古賀市、小郡市、大野城市、田川郡はそれぞれ1社となっている。

　【表2】を見ていただきたい。

〜この表から見えるもの〜

　・福岡市に本社がある企業は52社。九州・沖縄の上場企業116社に対するシェアは44.8％を占めている。福岡県に本社がある81社に対しては、64.2％と過半数を大きく超えている。

　・福岡市に本社がある企業のうち、福証に上場している企業は31社（Q-Board 5社を含む）で、上場比率は59.6％であり、100％への道のりは遠いようだ。

＜まとめ＞

　福岡市に本社があるにもかかわらず、福証に上場していない企業は21社もあり、その比率は40.6％と4割を超えている。

　博多区に本社がある企業25社のうち、福証に上場していない企業は11社。中央区も本社がある上場企業19社のうち、福証に上場していない企業は8社もある。

　今まさに、福証は自身の存立をかけて、「経済が発展し続ける福岡市。人口200万人も夢ではない魅力」を訴えて、新規上場企業の開拓だけでなく、福証に上場していない企業に対しても、粘り強く重複上場の勧誘を続けることが求められているのではないだろうか。

（了）
【（株）データ・マックス顧問　浜崎裕治】