回遊性とパブリックスペースの創造で 福岡・大名エリアを観光拠点へ(前)
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東邦ハウジング(株)・井野屋商事(株)の持ち株会社として、2012年9月に設立された村上ホールディングス(株)。福岡市中央区・大名エリアを拠点に、デベロップメント事業に参入した同社の戦略を、代表取締役の村上篤史氏に聞いた。
(聞き手:永上 隼人)
小さなビルが主役になれる
――近年、収益物件の取得が目立ちますが、御社の投資判断のポリシーは何でしょうか。
村上 長期投資でリターンを得ることを重視しています。長期投資が可能であるかどうかの判断につきましては、物件そのものの価値とエリア特性を重視しています。物件そのものの価値だけでは、当社が投資対象とする小・中規模の物件は、博多駅前のJR博多シティのような大規模商業施設には敵わないでしょう。ですが、エリア特性に合った物件なら小・中規模でも競争に生き残っていけるはずです。
大名エリアは博多・天神エリアと比較すれば、交流人口は決して多くはありません。しかし、福岡市がまちづくり構想として「歩いて楽しいヒューマンスケールのまちなみ」を掲げている大名エリアは、旧大名小学校跡地の再開発計画と合わせ力を入れており、小・中規模の物件が主役になれるエリアとして、これから期待できる商圏ではないでしょうか。
また、歩いているだけで楽しめるといった意味では、大名エリアは博多・天神エリアにも負けていないと思っています。大名を回遊性ある街へ
――たしかに大名エリアは今後が非常に楽しみなエリアの1つだと思いますが、現状の課題としては何が挙げられますか。
村上 福岡城を中心とした城下町の一角が、現在の大名エリアです。この成り立ちから、大名エリアは敵に攻め込まれ難いようなまちづくりが採用されていたと考えられます。実際、大名エリアを縦横に通る道は、江戸時代から大きく変わっていないと聞きます。その反面、歩いてみるとわかりますが、(図のように)隣の通りに移動するのが大変で、エリア内の回遊性の低さが課題となっています。
弊社の使命として、ビルの1階を通り抜けできるようにするなどして、大名エリアの回遊性をもっと向上させていきたいですね。もちろん数棟のビルだけで通り抜けのデザインを採用しても効果は薄いので、相応の規模で考えていく必要があります。回遊性向上に寄与するためにも、大名エリアの物件は積極的に取得していく予定です。(つづく)
【文・構成:代 源太朗】<COMPANY INFORMATION>
村上ホールディングス(株)
代 表:村上 篤史
所在地:福岡市中央区大名1-9-8
設 立:2012年9月
資本金:900万円
T E L:092-731-5551
U R L:http://murakami-holdings.co.jp<プロフィール>
村上 篤史(むらかみ・あつし)
1984年1月生まれ。福岡県大野城市出身。学卒後、東邦ハウジング(株)に入社し、2010年に取締役に就任。先代の急逝により、14年10月に東邦ハウジングの持株会社である村上ホールディングス(株)の代表取締役に就任した。趣味は商業施設視察と旅行。法人名
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