2024年04月25日( 木 )

豪雨災害からの復旧復興は「いまだ道半ば」 福岡県災害復旧・復興推進本部会議

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災害復旧・復興推進本部会議で訓示を述べる小川知事

 福岡県は11日、2017年7月の九州北部豪雨、18年7月豪雨に関する災害復旧・復興推進本部会議(本部長=小川洋知事)を開き、部局ごとの県内の復旧状況などについて確認した。仮設住宅の入居期限2年が迫る中、300世帯以上、800名以上が仮設暮らしを続けている。期限を迎えた入居者は退去しなければならない。仮設住宅への入居は、住宅再建が前提だからだ。期間が延長されるかどうか不透明な状況だ。

 各部局からの報告を聞いた後、小川知事は「復旧復興はいまだ道半ば。今後も、被災者に寄り添って、再建方法を見出していってほしい」などと訓示を述べた。

 17年災害の復旧復興策としては、被災者を対象に、住宅の購入、賃貸などへの融資や助成、補助金交付のほか、災害公営住宅の整備など住宅再建に関する支援を実施している。現在もいまだ多くの被災者が仮設住宅で暮らしており、今月6日時点で、建設型仮設住宅が103世帯、210名(うち朝倉市が83世帯170名)、借上型仮設住宅が214世帯、540名(同212世帯535名)、公営住宅などへの一時入居が25世帯57名(同24世帯56名)に上る。県が整備する災害公営住宅のうち、朝倉市の杷木林田地区で50戸、頓田地区で30戸が7月上旬に入居予定。東峰村の中原地区でも16戸が入居予定となっている。

 インフラ関係の復旧状況(5月末時点)は、原型復旧箇所の着手率が道路91%、河川98%、砂防93%で、全225カ所のうち94%の212カ所で着手済み。機能アップをともなう改良復旧箇所73件(国による権限代行含む)については、着手率は明らかにしていないが、すべてで測量、設計などを進めており、すでに工事着手している箇所もある。

 18年災害のインフラ関係の復旧状況(5月末時点)は、原型復旧箇所の着手率は、道路79%、河川91%、砂防33%で、全308カ所のうち88%の270カ所で着手。道路では、用地取得に手間取り、みやこ町に1カ所、現在も通行止めが続く道路がある。河川では、とくに浸水被害が大きかった山ノ井川、庄内川については、新たに設けられた国の浸水対策重点地域緊急事業として整備を進める。砂防では、北九州市の奥田地区で地すべり対策工事に5月上旬から着手している。

【大石 恭正】

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