2024年04月20日( 土 )

都市デザイン会社へと進化を遂げる(前)

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西武ハウス(株)

 今年8月に創業35周年を迎える西武ハウス(株)は、2018年2月期で過去最高の業績を達成する見通しだ。マンションデベロッパーから進化を遂げ、地場企業としては前人未到の「都市デザイン」会社へと変貌を遂げつつある。

香椎浜でタワーマンションを企画

 西武ハウス(株)が手がける「モントーレ香椎浜サーフタワーイーストウイング」(332戸)が、完売間近だ。総事業費80億円のプロジェクトだったが、昨年5月の販売開始から順調に進んできた。このプロジェクトは、もともと地場デベロッパーのユニカが企画していた香椎浜プロジェクトのDブロックに当たる。ユニカが開発し、東京の業者が一括で買い取る予定だったが、2008年のリーマン・ショックが不動産業界へ波及し、金融機関の支援が受けられないことでキャンセルとなった。事業主のユニカは西武ハウスにプロジェクトの継承を依頼し、同社がB、Cブロックの事業を完遂した。このプロジェクトは2ブロックで70億円を超える大型案件となった。その後が販売中のDブロックである。次に控えるのは最終Eブロック、500戸超のプロジェクトだ。32階建て587戸のタワーマンションが企画されており、総事業費は200億円を超える計画のようだ。

 福岡を代表するデベロッパーとはいえ、ユニカの計画がストップした後に、同社がここまで香椎浜のプロジェクトを完遂することを予想した人はいなかっただろう。規模的にも地場デベロッパーには負担が重く、さらにほかのデベロッパーが途中まで企画を進めていたのもマイナス要因だ。純粋に自社で企画したプロジェクトではないため、ハンデがある物件であり、大手デベロッパーが引き継ぐほかに出口がない印象だった。それを、時流を見極め、自社のほかの開発物件とスケジュール調整し、十分な収益を上げる物件へと昇華させた豊福社長の経営手腕は、見事である。商品としての質、販売する環境、不動産市況の状況、自社の経営状況など、すべてを緻密に分析し、コントロールした結果だろう。

(つづく)
【緒方 克美】


<COMPANY INFORMATION>
西武ハウス(株)
代 表:豊福 清
所在地:福岡市中央区長浜3-16-6
設 立:1985年7月
資本金:3,000万円
売上高:(17/2)101億793万円
TEL:092-718-0075
URL : http://montre21.com​

 
(後)

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