2024年04月20日( 土 )

都市デザイン会社へと進化を遂げる(後)

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西武ハウス(株)

まちづくりで地域社会に貢献

西武ハウスからの寄贈を記念したプレート

 「香椎浜」のほかに福岡市南区で「モントーレグランシェル」(116戸)を販売中だが、3月から博多区東比恵で「モントーレ東比恵クレア」(78戸)の販売も開始する。さらに今夏には中央区港で、「モントーレ舞鶴ベイレジデンス」(50戸)の中規模マンション2棟をリリースする予定だ。中央区港は西武ハウスの本社がある場所で、隣には、すでに同社が開発し分譲した「モントーレ セントラルベイコート」がある。本社前の通りは、同社が開発したマンションが立ち並ぶ通りになるのだ。この通りを桜並木にすることも計画しており、一部の歩道の桜並木は福岡市に寄贈済みだ。今年、来年とさらにウミネコザクラを寄贈予定で、2街区にわたり一連の桜並木ができることになる。また那の津通り側の土地1,050坪は、17年12月にケネディクス系のファンドに売却した。マンションが立ち並ぶ一方で、同地区にはスーパーなどの商業施設が存在しない。入居者の利便性を考えれば、商業施設開発に長けた企業に売却するのが望ましいと判断したためだ。その隣接地には、同社が賃貸マンションの建築を予定している。

 同社は「都市をデザインする」との視点から、同地区で地域社会に貢献する本格的な「まちづくり・住まいづくり」に着手している。自社が開発したマンションが並ぶ通りに、商業施設ができ、同社へ向かう通りには美しい桜並木ができる。「住まいづくり」に加えて、地域の活性化を目指した取り組みで、「まちづくり」と呼ぶに相応しいものだ。これまでにも「まちづくり」を理想に掲げ開発を進めようとしたデベロッパーはあったが、実際にその水準に達した企業は、福岡には存在しない。浮き沈みの激しい不動産業界で、長期間にわたって業績を維持し、都市開発の企画を具現化することがいかに難しいことかがわかる。地域密着で「住まいづくり」に取り組み、大規模プロジェクトなども数多く手がけてきた同社だからこそできた「都市のデザイン」である。今後も同社の魅力的なプロジェクトに要注目だ。

(了)
【緒方 克美】

 
(前)

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