2024年03月29日( 金 )

天然由来の粉末でグリストラップの悩みを解消 宝成産業

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 「最大の悩みがグリストラップだった」と宝成産業(株)の代表・横尾睦氏は大手飲食チェーン勤務時代を振り返る。

 「グリストラップ」とは飲食店の厨房に設置が義務付けられている装置で、排水を油分と汚泥に分離するもの。残飯や油分が排水を受け止める3層のカゴ状になっており、清掃を怠ると悪臭の発生や管詰まりを招くことがある。

清掃中のグリストラップ
処理剤で分離した汚泥

 

 「自分の子どもに胸を張って食べてもらう」店づくりに注力し、衛生面にはとりわけ気を配った横尾氏の頭痛の種がグリストラップだった。

 転機となったのが、永年にわたり水処理剤の開発に取り組んできた現・最高技術責任者兼顧問の小林氏との出会いだ。小林氏は河川の洗浄など、土木系の業務や大手自動車メーカーからの依頼で4年にわたり工場廃液洗浄に関わったこともある。その小林氏が開発したのが貝殻を主原料とする処理剤だ。洗浄力はもちろんのこと、従来よりも洗浄時間とコストが大幅に削減されるのが同処理剤の特長だ。事業を起こし18年3月に法人化。「世界中の飲食店のグリストラップの悩みを解消する」と処理剤の普及に力を注いでいる。

 処理剤は排水1Lに対して1グラムを投入すると、油と汚泥を吸着し、水質を変える。定期的に使用することで一定の水質が保たれる。また、100%天然由来のため環境面への配慮も万全だ。永年の苦労の末開発した独自製法の特許取得の準備を進めている。

 「きつい、汚い、臭い」「最悪の場合は排水管の腐食に至ることもある」グリストラップ。飲食業界の発展のためにも同処理剤の普及を急ぐ考えだ。

作業後

<COMPANY INFORMATION>
宝成産業(株)

代表:横尾 睦
所在地:福岡県福岡市中央区鳥飼1-6-34
設立:18年3月
資本金:200万円
業種:水質洗浄剤販売ほか
電話:092-753-9430
URL:http://www.hoseisangyo.co.jp/

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