2024年03月29日( 金 )

未来へ残そう脊振の大自然『第2回脊振サミットを開催して』

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 2019年6月16日(日)、西南学院大学の西南コミュニティセンター・ホールで「第2回脊振サミット」を開催した。

発表の様子

 第1回は昨年2月にボランティア団体の活動報告と各ボランティア間の連携を深めるのを目的に開催。今回は脊振山系の自然の重要性と、そこで活動する行政、野外活動拠点などを考慮に入れ、10カ月前から、サミットへの参加を呼びかけた。

 開会準備と発表内容は以下の通りである。

 主催は脊振サミット実行委員会で、委員会を構成しているのは「脊振の自然を愛する会」と「早良区役所企画課」である。脊振の自然を愛する会の会員にはメールで開会について知らせた。

 会場は昨年と同じく、私の母校である西南学院大学の西南コミュニティセンター・ホールを予約した。場所は地下鉄西新駅から徒歩7分、公共交通機関が利用でき、利便性が良い場所である。

 発表者の持ち時間はそれぞれ、15分、30分2人、50分1人で、持ち時間やスケジュールも基本は私が作成し、早良区役所と調整して参加者へメールで知らせた。

 今年のプロモーションビデオはGoogleアースを使った5分間の映像で、グローバルな内容となっていた。脊振の写真は私が撮影したものである。制作は懇意にしているプロのクリエーターで、大学の後輩でもあるKにお願いした。

発表者の記念写真

 サミットは早良区役所・中田企画課長の挨拶に始まり、プロモーションビデオの放映へと続く。

 発表のトップバッターは後輩である西南学院大学ワンダーフォーゲル部。ここ2年ほど部員が激減し、2名(4年生は除く)になってしまった。私を含めた先輩たちが10年前に行った道標設置報告のビデオを作成し、今年入部したばかりの田口新主将には「先輩たちの活動を報告します」とだけ言ってもらった。

 「九州水フォーラム」でお世話になった九州大学大学院工学研究院・環境社会部門の清野聡子准教授を伊都キャンパスに訪ね、「脊振の水」をテーマに参加をお願いした。清野氏は環境に関して豊富な知識と幅広いネットワークをもっている。

 清野氏は30分の持ち時間で、脊振山系から博多湾へと注ぐ河川が生物多様性にとって重要だと報告。翌日は学会で東京に出張するためキャリーバッグをもっての参加だった。多忙な方である。

 昨年は冬のイベントと重なってしまい、参加できなかったが、やはり「福岡市立背振少年自然の家」の参加は欠かせない。そこで、参加をお願いするために施設を訪ねたところ、同施設の近藤所長から、すぐに快諾を得られた。

 同施設は青少年の野外活動の拠点として福岡市が設立、今は麻生教育サービス(株)の指定管理で運営されている。昨年の豪雨の影響で椎原-板谷県道が土砂崩れとなり、今年5月まで通行止めになって、同施設へ行くには那珂川から花畑ダム経由で、完成したばかりの五ケ山ダム脇の通行を余儀なくされていた。

 近藤所長は自然体験を通じての子どもたちの環境教育について発表した。

 脊振山系は福岡県と佐賀県の県境に位置するため、佐賀県庁の参加も欠かせない。昨年も参加していただいた佐賀県有明海再生・自然環境課の担当者にメールと電話で参加をお願いした。担当者の女性・Iさんは若いながらも決断がはやい、「移動で部署が変わるかもしれないが、後任へ引き継いでおきます」と言い、参加を承諾してくれた。

 結局、彼女は部署内での担当が変わっただけで、詳細についてのやり取りはすべて彼女が引き受けてくれた。

 県外からは松尾副課長が出席し、九州自然歩道の現状と道標の修復を発表した。

 修猷館高校からは山岳部部長が参加し、高校生ながら堂々と「脊振の山はすばらしい」と発表した。

 山と海のテーマを掲げた福岡市環境局・環境調整課は博多湾の海底の様子を動画で紹介。福岡森林管理署の角所長は森林環境税の発表をした。

 脊振の気象については、私のお天気教室の先生でもあるRKBの気象予報士・龍山氏にお願いした。参加に際しては、RKB毎日放送に申請書を提出し、承認を得た。

 元アナウンサーでもある龍山氏は線状降水帯、避難指示レベルなどについて会場を一巡して雄弁に語った。そして、最後に2年前の九州北部豪雨に関して、「脊振は決して悪くない」とも結論付けた。

 「脊振の自然を愛する会」代表の私は脊振山系の道標設置、野河内渓谷の素晴らしさ、今後やろうとしていることを発表した。

 山といえば、今やヤマップが欠かせない。創業時代から付き合いのある(株)ヤマップの春山社長には早くからアプローチをかけていた。創業時は3人のメンバーでスタートし、今や東京支社を入れて45人のスタッフを擁するベンチャー企業として躍進中で、同社の企業理念はソニーの創業時代とも似ている。春山氏とは持ち時間を含めてメールでやりとりした。

 発表内容は、「なぜ登山ブームが起きているのか」「人生の為になる本の紹介」など哲学的で、来場者に刺激を与える内容だった。

 脊振の自然を愛する会のメンバーには、スタッフとして応援してもらい、女性会員2名には受付をお願いした。気がつかない諸々のことはメンバーがフォローしてくれた。

 司会をお願いしたN嬢は、暖かな雰囲気の司会進行をしてくれて、予定時間の4時間があっという間に過ぎていった。

 ワンゲルの後輩たちも来場してくれるなど、来場者は100名。内容が濃いサミットとなった。

 発表に参加された皆様ならびにスタッフ各位ありがとうございました。次回は若者の参画を増やし、来場者も若者を増やしたいと思っています。

—感謝—

終了後の懇談会

2019年6月20日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行

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