2024年04月19日( 金 )

行橋市の社会福祉法人「友愛会」が破産

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 福岡県行橋市にある特別養護老人ホーム「今川河童苑(かっぱえん)」と特定施設「いまがわ秋桜(こすもす)ガーデン」を運営する社会福祉法人「友愛会」(福岡県行橋市)が、6月19日付で福岡地方裁判所行橋支部より破産手続開始決定を受けたことがわかった。

 市の担当者によると、入居者は昨年12月中に全員が別の施設に移り、施設の職員は全員が退職。実質的に運営していない状態となっていたという。市は当初、同法人に対し解散命令を予定していたが、同法人から自主的に破産するとの報告を受け、今回の破産手続きに至ったという。

 同法人は昨年12月、入所者数の伸び悩みにともない、経営難に陥っていることが判明。2つの施設は水道料金滞納により一時的に水道の供給がストップしたほか、給与未払が原因で介護職員が退職する事態が起こっていた。さらには介護職員の雇用で虚偽報告を行っていることも判明。事態を重く見た市は特定施設の指定停止処分や改善命令を出し改善を促していたが、同法人は期限までに改善計画を報告することができず、ほかの事業者を交えた施設存続交渉も不調に終わったことから、今年1月に入り破産を申し立てる方針を市側に伝えていた。

 2つの施設の今後について市の担当者は、「建物に抵当権が設定されているため、抵当権者が施設をどう処分するかによって変わってくる」と話し、「施設が引き続き存続できるのであれば、再度審査を行ったうえで、運営事業者を選定する」としている。

【長谷川 大輔】

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