2024年04月25日( 木 )

デジタルサイネージで「ゼロ円家具をつくりたい」

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(株)ドトキューブ

空間プロデュース業界を変えたい

 (株)ドトキューブ(佐々木陽助・代表取締役)は、デジタルサイネージや磁性体シート、家具などを提供する空間プロデュース会社だ。佐々木代表は、パチンコ店のデジタルサイネージ広告などを手がける(株)プロテラス(本社:東京都港区)に勤務していたが、「自分の力でこの業界を変えたい」と2018年9月に部下とともに独立。前職で培った豊富なバイヤー知識を生かし、「お客さまの悩みに応じた適切なプランニング」をモットーに、九州や東京で営業活動を行っている。社名には、「多面的(cube)になんでもやる」という意味が込められている。

デジタルサイネージ

 デジタルサイネージはすでに一般的な商材になっているが、取扱いは大手企業が中心。デジタルサイネージを含めたトータルな空間プロデュースができる地元企業はまだまだ少なく、佐々木代表は「まだまだチャンスはある」と起業に踏み切った。ドトキューブにとって、デジタルサイネージは重要な商材の1つだが、ゴリ押しはしない。顧客の悩み、予算を聞いたうえで、豊富な商材ストックのなかから、最適なマッチングを見つけ、提案するスタイルだ。「お客さんの喜ぶ顔を見ることが、これ以上ない仕事の励み」と話す。

磁性体シート

 磁性体シートとは、その名の通り磁力をもつシートで、壁に磁性体シートを貼り付けることで、壁紙を簡単脱着できる。たとえば、飲食店のレジなど顧客の目を引く一部の場所にその日の目玉商品などを書いた磁性体シートを貼っておけば、効果的な訴求がねらえるほか、普通の会議室を1日だけセレモニー会場風に模様替えする用途などにも使える。

 「素材自体が高いので、全面張り替えだと高くつくが、部分的な張替えであれば、通常の素材に比べ、2分の1、3分の1のコストで済む」という。やはり以前からある商材だが、福岡での採用はまだ少ない。「効果的なアイテムの1つとして、こちらも積極的に提案していきたい」と力を込める。

当面は売上げ1億円が目標

 設立から1年に満たないが、福岡県内のある地方銀行へのアイテム納品が決まっているほか、東京都内のとある開発プロジェクトにも関わっている。今のところ、比較的早く納品できる家具が売上の約6割を占めているが、今後はデジタルサイネージの売上を5割程度まで伸ばす計画だ。当面の売上目標には1億円を設定している。いずれ福岡市内にオフィスを構える予定だ。

 デジタルサイネージを活用し、「ゼロ円家具をつくりたい」という計画がある。デジタルサイネージと家具を融合させ、広告費をとることで、家具を無料化するというアイデアを温めている。「ふだん食事などで店に入ると、ついつい『ここにデジタルサイネージを設置すれば、効果がある』と考えてしまう。職業病かな」と笑う。日々仕事のアイデアは尽きないようだ。

【大石 恭正】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡県春日市小倉3-198-2
設立:2018年9月
資本金:200万円
TEL:090-2518-8319
URL:https://www.dotocube.com

<プロフィール>
大石 恭正(おおいし・やすまさ)

立教大学法学部を卒業後、業界紙記者などを経て、フリーランス・ライターとして活動中。1974年高知県生まれ。
Email:duabmira54@gmail.com

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