「おもてなし規格認証制度」と独自プログラムの連携 地元サービス産業の生産性向上を図る(前)
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西岡経営管理事務所 代表 西岡 隆 氏
日本のGDPの約70%を占めるサービス産業。そんなサービス産業全体の活性化を図るため、2016年8月に経済産業省が「おもてなし規格認証制度」を創設した。西岡経営管理事務所は、“行動を変えれば結果が変わる”をキャッチコピーとした「行動評価マネジメントプログラム」を軸に、中小企業経営者らに経営指導を行っている。「おもてなし規格認証制度」における認証支援事業者である同所代表の西岡氏に、同認証制度について話を聞いた。
サービス品質の「見える化」を図る
――「おもてなし」というフレーズは、2020年東京オリンピック大会誘致の際に、世界に発信した「日本人の心」というイメージが強いですが、それを制度にした国の狙いとは何でしょうか。
西岡 “お客さまの琴線に触れるおもてなし”ができる企業(お店)には、お客さまの期待を超えて感動を味わってもらえる仕掛けがあります。ただ、それは一朝一夕にできるものではなく、スタッフの育成を始めとする組織の仕組みづくりなど多くのプロセスを経て形成されるものです。つまり、そういうおもてなしができる企業(お店)というのは、内部のマネジメントがしっかりできている企業(お店)ということになります。
2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博というビッグイベントを控え、日本が有数の観光立国を目指そうとすれば、観光資源のみに頼らず、ソフト面において顧客満足につながる取り組みが必要になります。
サービス業全体における日本の生産性水準は、米国の半分程度。宿泊・飲食に至っては米国の4割程度と低く、主要先進国(米・仏・独・英・日)のなかでも最下位という状況です。まずは、この状況の改善が必要になりますが、その1つの方法として、「おもてなし規格認証制度」における認証取得のプロセスを通じてサービス業務のマネジメントを確立できた企業(お店)に、その証として認証を付与し、目に見えづらかったサービス品質を「見える化」するというのが国の狙いです。そういう意味で、「おもてなし規格認証制度」は、日本のGDPの約70%を占めるサービス産業の活性化を狙った新しい取り組みであるといえます。
――西岡経営管理事務所は、2018年4月に認証支援事業者に認定されています。
西岡 弊所が以前より取り組んでいる「行動評価マネジメントプログラム」は、サービス業における労働生産性の向上を目的としたもので、これはまさに「おもてなし規格認証制度」の趣旨に合致するものです。従って、同制度を活用した企業支援は、弊所のミッションであると考えました。
――サービス産業というと、外食産業を思い浮かべます。
西岡 サービス産業とは、広くは第三次産業全般を指すものですが、おもてなし規格認証が想定しているのは、主に接客をともなう業種が中心になります。従って、飲食だけでなく、顧客接点を有する宿泊業や小売業もその範疇に含まれます。
今回、おもてなし規格認証(紺認証)取得企業としてコメントをいただいている糸島市の(有)羅漢さまは葬祭業ですが、典型的なサービス産業に分類されます。
――サービス産業にとって、「見える化」はどういう意味をもつのでしょうか。
西岡 対外的には、その企業(お店)が一定のサービス品質を維持していることを客観的な視点でお客さまに周知できる。対内的には、従業員スタッフのサービスレベルを一定に保つ―つまり暗黙知の形式知化により、属人的要素を可能な限り排除できるという意味をもっています。
(つづく)
【松本 悠子】<COMPANY INFORMATION>
西岡経営管理事務所
代表:中小企業診断士 西岡 隆
所在地:福岡市中央区天神1-15-5 天神明治通りビル711
設立:2001年4月
TEL:092-761-8808
HP:http://www.nishioka-keiei.com
事業内容:ビジネスコンサルティング/M&Aアドバイザリー/行動評価マネジメントプログラム/創業支援/経営革新計画申請サポート/補助金申請サポート/知的資産経営支援関連記事
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