2024年04月21日( 日 )

糀甘酒は水が命―マルコメが女優・創作あーちすと「のん」さんの新テレビCMを発表

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「のん」さん

新CMから感じられるのは「ナチュラル・健康・親しみやすさ」

 甘酒は、透明感のある水が命。マルコメ(株)は、「プラス糀・糀甘酒(こうじあまざけ)」のイメージキャラクターに「のん」さんを起用した新テレビCMを7月20日から放映すると発表した。

 この新CMから感じられるのは、「ナチュラル」「健康」「親しみやすさ」だ。

 マルコメの今年3月期の売上は約446億円。165年の味噌づくりでつちかった「糀」のノウハウをいかして、和食の健康志向やナチュラルさに注目しながら、糀から発酵食品全体に事業を広げていきたいと同社代表取締役社長・青木時男氏は話す。

魚沼の決め手―糀甘酒に使う「水」がカギだった

 マルコメの本社は長野市にあるが、生産を広げるために今回新しくつくった100%子会社の魚沼醸造(株)の世界最大級の米糀・糀甘酒工場は、新潟県魚沼市にある。新工場建設にあたり、関東一円で42カ所の候補地が挙がったが、最終的な決め手になったのは、糀甘酒に使う「水」だった。

 糀甘酒に使う水は、軟水にこだわった。魚沼の水は軟水で、和食の味を変えるほど、うま味を引き出す力がある。

 3パターンある新CMの「魚沼の水編」では、越後三山の川を流れる水の透明感と、「のん」さんが豊かな自然で涼しげにくつろぐ姿が画面に広がる。魚沼の水の透明感やナチュラルさ、自然感と「のん」さんの雰囲気・キャラクターが合致したことが起用のきっかけになったと青木氏は話す。「のん」さんの雰囲気や川の水の透明感、まわりの豊かな自然から、マルコメが伝えたい思いがよく感じられる構成になっている。

元祖、甘酒のイメージ―寒い日に温まりながら飲む

 2つ目の新CM、「雪の日も糀甘酒編」は、寒い日に温まりながら、ほっこりと家で甘酒を飲む「のん」さんの姿が描かれている。「甘酒」といえばみなさんこのイメージではないだろうか。CMからは糀甘酒の親しみやすさが伝わってくる。

 思い立った時に買って、食べたい時に食べられる、誰にとっても手が届く距離にあることが、食品の商品市場を広げるためには欠かせない。「誰にとっても親しみやすい」ことは、糀甘酒を飲んだ時のスッキリとクセのない飲みやすさからも感じられた。CMのイメージが親しみやすいだけでなく、飲みやすさや、コップに注ぎやすく、冷蔵庫にしまいやすいパッケージの工夫からも、消費者に親しまれる商品をつくろうという熱意が感じられる。

健康にいいもの―付加価値のある商品をつくりたい

 3つ目の新CMは、魚沼醸造の新工場で糀甘酒がつくられるところを「のん」さんが見ている場面だ。「塩こうじ」から始まった発酵食品ブームで、糀が健康にいいというイメージが急速に広がった。健康への意識が高い人に飲んでもらいたいという商品戦略から、マルコメは糀甘酒に注目している。

見た目もおしゃれなレシピ写真をシェア―甘酒の裾野を広げる

 食品は毎日食べる身近なものだが、市場の裾野を広げるためには今までとは違う視点をもつことも必要だ。筆者には甘酒は「飲みもの」だというイメージがあったが、マルコメは、これからはもっと多くの人に料理に甘酒を使ってもらうことを目指しているという。

 特設キャンペーンサイト「みんなの『糀活』レシピコンテスト」で、糀甘酒を使った見た目もおしゃれなレシピの写真をInstagram(インスタグラム)でシェアしてもらうことで、テレビCMだけでなく、SNSを使った口コミでも甘酒の裾野を広げていく方針だ。

「のん」さんとお笑いコンビ「さらば青春の光」
マルコメ(株)代表取締役社長の青木時男氏

【石井 ゆかり】

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