2024年04月25日( 木 )

AirDrop痴漢にご用心~iPhoneユーザーは今一度設定の確認を

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 福岡県警は8月20日、福岡市西区に住む会社員男性(37)を、福岡県迷惑行為防止条例違反(卑猥な行為などの禁止)で検挙した。内容は7月5日午後8時44分頃、福岡市中央区を走行中の福岡市地下鉄列車内で、乗車中の男性被害者(34)に対し裸の女性の画像1枚をAirDropを利用して送信したというものだ。

 AirDropを利用してわいせつな画像などを送る行為は、「AirDrop痴漢」と呼ばれており、2018年7月13日には、JR姫路駅からJR神戸駅の間を走行中の電車内でわいせつな画像1枚を乗車中の女性に送信、閲覧させた疑いで、兵庫県警が姫路市(逮捕時の住所)に住む会社員男性を逮捕。同年8月15日には、電車内で他人のiPhoneにわいせつな画像を送りつけたとして、大阪府警が和歌山県に住む会社員男性を大阪府迷惑防止条例違反容疑で書類送検するという事案が発生している。この2件以外にも、逮捕・検挙までには至らないものの、同様の被害を訴える人の声がTwitter上などで多数報告されている。

 こうした事態を踏まえ、すでにいくつかのサイトでは、AirDrop痴漢を防ぐ方法が公開されている。今回、福岡県では初というAirDrop痴漢の摘発だが、これまで潜在的に被害を被っている人は相当数いたのではないだろうか。今後同様の被害が増えることが予想されるため、ここで改めてAirDrop痴漢を防ぐための方法をご紹介する。

方法(1) iPhoneの名前を変更する

 初期設定時のiPhoneの名前は、ユーザーがAppleアカウントの設定などで登録した名前を使用している。(例「〇〇(本人の名前)のiPhone」)。AirDrop使用時に共有可能な相手としてこれが表示されるため、そこから名前と性別が相手にわかってしまう可能性がある。従って、iPhoneの名称は個人を特定されないものに変更することをお勧めしたい。

 変更方法は、「設定」→「一般」→「情報」と順にタップ。すると上部に「名前」の欄が現れ、この画面で名前を確認することができる。名前を編集する場合は欄をタップし、任意のものに変えればよい。

 名前を変更することにより、送信側が相手の性別を判断できないため、これだけでも被害はぐっと防げるであろう。しかし中には不特定多数の人に送ろうと考える悪質な者も出てくることが容易に想定される。そこで、送信元をシャットアウトするために、方法(2)をお勧めしたい。

方法(2) AirDropの機能を「受信しない」もしくは「連絡先のみ」に設定する

 変更方法は、「設定」→「一般」→「情報」と順にタップすると、AirDropの項目が出てくる。AirDropをタップすると、「受信しない」「連絡先のみ」「すべての人」のうち、「受信しない」もしくは「連絡先のみ」に設定すれば、AirDrop痴漢を防ぐことができる。

 ちなみにiPhone X以降の場合は、画面の右上端から下にスワイプするとコントロールセンターが現れるようになっている。それぞれのコントロールを強く押すと、さらにオプションが表示され、細かな設定ができるようになっている。AirDropの設定は左上部分にあるコントロールを強く押すとこのような画面が出てくる。AirDropをタップすると、「受信しない」「連絡先のみ」「すべての人」と出てくるので、ここで「受信しない」もしくは「連絡先のみ」に設定することも可能だ。

※クリックで拡大

 AirDropを使う機会がない方は「受信しない」に、特定の相手だけ受信できるようにするのであれば、「連絡先のみ」、使う頻度に応じて変わるなら、必要なときだけ手動でオンにし、それ以外はオフにするといった方法もあるだろう。「対岸の火事」ではなく、「明日は我が身」かもしれない。我が身を守るのは自分自身。iPhoneユーザーは、今一度設定の確認を行ってみてはどうだろうか。

【長谷川 大輔】

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