2024年03月29日( 金 )

全額損金の法人保険で一生の個人保障を手に入れる(前)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 あなたは決算対策をお悩みですか?全額損金の法人保険をお探しですか?長期平準定期保険や逓増定期保険、災害保障タイプや生活障害定期保険といった、これまで「全額損金」や「2分の1損金」などで経理処理が可能だった法人契約の定期保険等の税務取扱が7月8日以降の契約分から変更となりました。

 ポイントの1つとして話題になっていた「過去に訴求しての変更」はありませんでしたので、駆け込み契約された方は今後も全額損金や2分の1損金で処理は可能ということになりました。国税庁が通達改正の検討に入った旨、大手生命保険会社に連絡が入って、各生命保険会社が法人契約の商品を一斉に一部販売停止にしたのが2月14日前後のことだったので、保険業界では「バレンタインショック」とも言われているそうです。

 その後、保険を活用した節税(実際は利益の繰り延べ)方法はなくなったと思われていませんか?実は、まだ一部、全額損金や2分の1損金で経理処理が可能な活用方法は現在も残っています。今回はその法人契約での全額損金商品を活用する方法の1つをお知らせします。

 法人は損金をつくることができ、経営者や役員の福利厚生にもつながる一石二鳥の活用方法になります。個人で保険に加入されている方も知っておいて損はなく、しかもこの活用方法は10月7日の契約日までの取扱になりますので、ご興味がおありでしたらお急ぎいただいた方がいいかもしれません。税務取扱が変更になれば、今後、二度と活用できなくなる方法になります。

 では、早速中身に入りましょう。

【法人契約で医療保険やがん保険などに加入】

 お伝えさせていただく保険は「医療保険」「がん保険」「介護保険」「認知症保険」などの「第三分野」と呼ばれている商品です。実は、この第三分野の保険に関しては、10月8日から新税務取扱に変更になる為、まだ活用できる余地が残っています。(改正通達10ページ「二 経過的取扱」)契約形態は以下のように加入します。

契約者:法人
被保険者:経営者、役員、従業員
受取人:法人

 保障は一生涯ですが、保険料の払込を法人で数年~10年と短い期間ですべて済ませることができ、その保険料の全額を、会社の損金にできます。しかも給与(役員報酬)扱いではありませんので、経営者や役員の方の所得税、住民税、社会保険料などにも影響はありません。決算日との兼ね合いがあれば月払いにしておいて、契約後に年払いに変更することも可能です。

【保険料の払込→名義を会社から個人に変更】

 そうすることで、個人ではその後、一生涯1円も払わずに保障を受けられます。しかも個人契約の医療保険やがん保険は、終身払いになっていることが多く、生きている限りずっと保険料を支払い続ける内容になっているものがほとんどですので、個人の支出の削減にもつながり一石二鳥です。

 名義を変更するにあたり、法人では経理処理が必要になります。契約者の変更が保険契約の譲渡にあたる為です。法人からみたら保険契約の売却、経営者や役員の方からみれば保険契約の買取というかたちになります。医療保険などは、原則掛け捨てですが、払込期間まで支払いが完了した時点で10~30万円ほどの解約返戻金が積み上がります。個人はその、解約返戻金の額で買い取る、ということになります。(所得税基本通達(法令解釈通達)36-37保険契約などに関する権利の評価)

(つづく)

【アンツインシュアランス 長島  啓之】

(株)アンツインシュアランス執行役員。ファイナンシャルプランナー。生命保険協会認定FP。日本FP協会認定AFP。保険の専門家として個人、法人を問わずコンサルティングをしている。『わかりにくい保険という商品を、自分が参考書のような存在になれるよう情報を提供させていただく』という想いのもと、活動している。
(中)

関連記事