2024年04月24日( 水 )

厚労省が再編・統合を求める公立・公的病院名(424)を公表

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 【表1】を見ていただきたい。厚生労働省は26日、高齢化で膨張する医療費抑制のため、2017年度の実績をもとに、1,455の公立病院と日本赤十字社などの公的病院の診療実績を分析し、診療実績がとくに少なかったり、似たような病院が近くにあったりして再編や統合などの議論が必要だと判断した424病院名を公表した。

 47都道府県のうち沖縄県だけが該当なしだった。公表された病院は約3割にあたり、すでに再編や統合をしていたり、名前が変わっているところも含まれているという。

~この表から見えるもの~

 都道府県別で見ると、北海道が54カ所で一番多い。次が新潟県の22、宮城県19、兵庫県、長野県が15カ所と続く。以下、静岡県、山口県が14。岡山県、広島県、福岡県が13。青森県、岩手県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府が10となっており、16都道府県が10カ所以上となっている。比率で見ると、人口の減少や地域経済が縮小している地方の県が多いようだ。

 名指しされた医療機関からは、「なぜうちの病院が指摘されたのかわからない」といった声があがっているという。

 ある病院の幹部は、「診療実績は2年前の一時期のもので、現在の状況とはかけ離れている」と憤りを隠さない。「うちは地域で唯一担っている診療科もあり、一方的、画一的に見るのではなく、個々の病院の現状を丁寧に聞くべきではないだろうか」と訴える。

 また別の病院幹部も、「判断基準がわからない部分もあり、選定理由や根拠を十分に確認し、今後の進め方を検討していきたい」と語っている。一方、自治体側からも、「選定の仕方が機械的で唐突な部分がある」と、厚労省の選定方法を疑問視する声があがっているそうだ。

【表2】を見ていただきたい。厚労省が再編・統合を提起された九州の公立・公的病院である。

~この表から見えるもの~

 九州では福岡県が13カ所で一番多い。以下、鹿児島県8。長崎県、熊本県、宮崎県7。佐賀県5。大分県3の合計50カ所となっている。
・熊本市立熊本市民病院は新築し、明日10月1日から10月6日まで、機材設置のため休診するが、10月7日(月)午前8時30分から診療を開始する予定となっており、ほろ苦い門出となる。

<まとめ>

 日本の人口は年々減少しており、地域経済は縮小している。地銀の経営統合も含めて、地域の公立・公的病院の再編・統合の時期を迎えているようだ。ただ、公立・公的病院は人の命を救う機関であり、ただ単に効率性だけでは図れない部分もあるため、地域の人口減少に合わせた適正規模の再編・統合が求められるのは間違いないだろう。

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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