2024年04月18日( 木 )

第一線で活躍する86歳現役社長の健康の秘訣(後)

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Tiキクザキ(株) 代表取締役社長 菊崎 弘 氏

楽しみのお寺参りで歩く

Tiキクザキ株式会社・代表取締役社長の菊崎弘氏
Tiキクザキ株式会社・代表取締役社長の菊崎弘氏

 昔は山登りをしていたが、今は3カ月に1回のお寺参りが菊崎氏の楽しみだ。休みの日には、近畿の西国三十三所や四国八十八ヶ所に泊まりがけで出かけている。毎日の生活のなかで歩くだけでは足りないので、自分から出かけて運動している。足も丈夫で、長く歩いてもヒザが痛くならないので、いくらでも歩けるという。

 仕事しているといろいろなところに出かけて歩くので、毎日いい運動になっている。体のどこかが痛くなると、仕事を辞めないといけない。だから、タクシーや車にできるだけ乗らずに、健康のために電車を使って歩いている。健康には歩くことが大切だと感じており、これからも丈夫な足でいられるように、楽しみながら菊崎氏は運動を続けている。

寝つきがよくてすぐ眠れる

 夜は、10時ごろに布団に入ると、寝つきがよくてすぐ眠れるので、朝7時まで寝るという。「寝つきがいいので、眠れないと困ったことがないのはとても恵まれている」と菊崎氏は話す。月に2~3回、仕事が忙しくて朝の3時ごろまで起きていることがあるが、2時間ほど寝たら、朝から仕事に行けるほど元気だというのは驚きだ。

 60年以上事業を続けてきた菊崎氏は、「無理して仕事をしないことも大切だ」という。自分の体のことをしっかりと見つめて、自分のペースを大切にしながら仕事をしてきたことが、86歳になった今の人生にいきている。20代のころから、健康を害するほど仕事をしすぎないように気をつけてきたから、今も体を悪くせずに仕事できていると感じている。

元気な人から健康法を知る

 30代の時にライオンズクラブに入り、若い人から年配の人まで、いろいろな人を見て、話をしてきた。そして、何歳になっても元気に健康でいるためにはどうしたらいいか、年配の人からたくさんのことを勉強させてもらったと菊崎氏は話す。

 30年以上ライオンズクラブで交流を続けながら、多くの人を見るなかで、年齢を重ねても健康でいる人と、そうでない人は何が違うのか、そして健康でいるためには何を心がけたらいいかを見つめてきた。なかには、「歩くことが健康の秘訣だ」という人も多かったという。動けずに寝込んでしまうと、現役で仕事を続けるのは難しいからだ。いつまでも元気でいたいと感じて、いろいろな人を見ながら、健康で長生きしている人の生き方を自分でも取り入れてきたことは大きいという。

人生を楽しむことが長生きの秘訣

 今は昔に比べて、健康に気をつける人が多くなったと菊崎氏は話す。周りには、80代や90代の現役で仕事をしている人も多いという。何歳になっても元気に生きている人と会って話すと、気持ちが若返る。病気のことをあれこれ心配するよりも、あまり悩まずに人生を楽しむことが健康には一番だ。

 「社会奉仕が大切だと考えており、その姿勢で仕事をしてきたから、いつも元気でいられる」と菊崎氏は話す。健康のために何か特別なことをしているから元気だというよりも、社会のためにいいことをしようという正しい心がけで過ごしていることが大きいのではないかという。「90歳になっても、現役で経営者を続けられる気がしている」と話す菊崎氏は、元気で前向きなパワーにあふれている。

(了)
【取材・文・構成:石井 ゆかり】

(前)

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