2024年03月29日( 金 )

いい判断ができるかは実は体調で決まる(後)

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新宿しま整体院院長、筋整流法理事兼施術指導部長 嶋 龍之 氏

体のサインに早く気づく

 健診で調べても、検査数値に出ないことが原因で不調になることもある。無駄な緊張や無理な動かし方をしていると気づいて直していくと、体の調子が優れない時に、感覚で早く気づける。

 無理が当たり前になると、たとえば、お腹が張っていたり、腰が痛いなど、体がサインを出していても無視してしまい、慣れてしまう。そうすると、胸が苦しいなど重篤なサインを見逃してしまう。普段がいい状態だと、何か異常が出たら、早く気づける。自分で体の状態がわからないときはチェックしてくれる人を見つけて、定期的に通って、気づける体を維持したい。

早く食べるのはいいことか?

 健康に気をつけている人は、何を食べるかに気をつけている人が多い。だが、何を食べるかだけでなく、どう食べるかも、とても大切だ。

 たとえば、食べものをミキサーで細かくして流し込むのと、よく噛んで食べるのでは、一見同じようだが体への負担も大きく変わる。 自分の歯でよく噛んで、唾液を混ぜると、食べものが胃や腸に届いたときに負担が減らせる。便秘や下痢、お腹が張るという胃腸の不良だけでなく、頭痛や肩こりも十分に噛めていないことが影響するので、食事をとるときにはそのことをよく考えて、一口食べるたびに30回は噛むようにしたい。

体は使うから動く

 今の社会は電化製品や移動手段に助けられている分、歩くことも少なくなり、自分の体がもっている機能を使わないことが当たり前になっている。 

 和式のトイレ時代は、毎日数回しゃがんでいた。ヒザや腰もしっかり伸び縮みさせていたので、腰やヒザが痛くなる人も少なかった。しかし、生活環境の変化により、和式トイレをほとんど使わなくなってしまった今では、ヒザや腰を曲げ伸ばしすることが少ない。そうすると、いざ動かしたときにイメージ通りに体が動かないということが起こる。

 しゃがむ動きは、体をスムーズに使うためには欠かせない。1日何回かはしゃがんで立つ動作を繰り返していると、体が固まりにくく動かしやすくなる。 

簡単にできるセルフトレーニング

1.足の指のトレーニング

※クリックで拡大

 逆立ちや腕立て伏せをするときは、手の指を開いて手をついている。手の指を開かないと体を支えられないからだ。しゃがむときも足の指を開くようにすると、体を支えやすくなるので体に負担が少なく、楽にしゃがむことができる。

 だが、今の生活は、足の指が閉じてしまっていることが多いので、体が無理をして支えていて、負担がかかりがちだ。足の指のトレーニング【図1】をすると、足の指が開いて動かしやすくなる。

2.五十肩や肩こり

※クリックで拡大

 普段でも、肩まで手を挙げる動きはしているが、真上まで手を挙げる動きはほとんどしてない。そうすると、肩のところが固まってしまって、五十肩や肩こりになる。いざ上げようとすると体が動かないことのないよう、肩のトレーニング【図2】をして体を動かしやすくしたい。

意識にないところを意識に上げる

 今の社会は、意識しないところで無理していることに気づいていない人が多い。気づかないうちに体が固まっていることもあるので、自分でも気づけるようになると、健康でいられる。

 体が痛くなってから対応をするだけでなく、自分の体を自分で正しく使えるようになりたい。そうすれば、経営でも正しい判断や対応がしやすくなる。自分の体の状態をわかっているつもりでも、人は意識できるところしかわかっていないことがある。だから、意識していないところを意識に上げることで、よりよい人生を送れるのではないだろうか。

(了)
【取材・文・構成:石井 ゆかり】

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