2024年04月20日( 土 )

【医療専門家に聞く】100歳まで自分の足で歩く方法(中)

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下北沢病院 院長 菊池 守 氏

足が健康でいられる歩き方

 歩くときに足が安定していないと、足に負担をかけてしまう。だから、ただ歩くだけではなく、足に負担がかからないようにサポートをすることが大切だ。かかとから足が地面について、足の指で地面を押して前に進む正しいフォームでスムーズに歩きたい。足に合った靴選びをすると、歩くときに足がぶれて無駄な力がかかることがなく、靴が足を助けてくれる。もし足に問題があるときには、サポーターやインソールなどで足の悩みを補正してバランス良く歩けるようにしたい。

足に合う靴選びとは?

 では、足に合った靴とはどんな靴だろうか。靴は、歩くときに靴のなかで足を包み込んで、足がずれないようにサポートする役目がある。だから、まずは靴のかかとをつまんでもつぶれない安定感のある靴を選びたい。足のかかとを靴がしっかりと支えることで、足がグラグラせず、余計な力を使わずに楽に歩ける。さらに、足の甲の部分をしっかりと支えられる靴が必要だ。靴紐が付いていて足の甲でしっかりと留められるものを選ぶと、足が靴のなかでずれることがないので、足の指が靴に当たらず負担がかかりにくい。

 足のかかとと甲の部分でしっかりと靴で足を固定すると、靴のなかで足がずれないので、靴の前はゆるくて余裕があっても大丈夫だ。多くの人が靴に足を合わせてしまいがちがちだが、元気な足でいるためにも足に合う靴を選んで履いてほしい。下北沢病院では、アシックスと親指の負担を減らす靴の「ライフウォーカー®ボシサポート1(W)」やフェローズと足に負担をかけないリカバリーサンダルの「TELIC(テリック)」をともに開発し、監修している。

歩くと足が痛いときは?

100歳までスタスタ歩ける足の作り方

 歩いていて足が痛いときは、足の痛みがどこにあるかで原因や対策する方法が変わってくる。まず、足の前半分の痛みは、足の裏の土踏まずのアーチが崩れたり、足の裏の脂肪のクッションが薄くなって、足に疲れがたまってしまうことが原因だ。足の裏のアーチを持ち上げる靴や、ダメージを吸収できるクッションのある靴で、足をサポートして歩きたい。

 次に、足のかかと側の痛みは、ランニングを始めたときになりやすい。足のかかとのアキレス腱やかかとの足の裏が固くなると、痛くなってしまう。痛いときは冷やすのが一番だが、運動をする前にストレッチなどで足を柔らかくしておくことが大切だ。

 親指を曲げると痛いときは、底が固くて芯のある靴を選んで歩いた方がいい。底が柔らかい方がいい靴だと思われがちだが、親指にかかる衝撃を堅い靴底でガードすると、歩くときに親指に負担がかからないので、痛みにくくなる。

 ランニングをしていたが、足が痛いからやめてしまったという人もいるが、トレーナーに相談したり、靴やインソールを調整すると解決できることがある。痛いからといってそのままにせず、病院で相談してほしい。

足のしびれや痛み、タコ

 足のしびれや痛みは、足首や足の指の関節を動かすと良くなることがある。ただ、足のしびれや痛みには、病気が隠れていることもあるので、自分で判断するのは控えてほしい。またタコは、関節を柔らかくして、足が動く範囲を広げるとなりにくくなる。

外反母趾

 足の指が内側に曲がって、足の指の関節が外に出てしまう外反母趾は、足の裏のアーチが落ちることが原因だ。ひどくならないようにするには、足の裏のアーチを持ち上げる運動をしたり、土踏まずのところが高くなっている靴の中敷きで支えるといい。

(つづく)
【取材・文・構成:石井 ゆかり】

【INFORMATION】

下北沢病院内設備

下北沢病院
所在地:東京都世田谷区北沢2-8-16
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