2024年03月29日( 金 )

セブン&アイが大規模リストラ~西武・そごうが5店閉鎖

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 セブン&アイ・ホールディングスは10日、国内のグループ従業員約3,000人を削減すると発表した。不振に陥っている傘下のスーパーと百貨店事業の両事業の構造改革を柱に、2023年2月末までにイトーヨーカ堂で1,700人、そごう・西武で1,300人を削減する。

 また傘下のコンビニ最大手で、全国に2万1千店近く展開するセブン―イレブンの不採算店約1,000店舗の閉鎖や移転も打ち出しており、今まで成長を続けてきた主力のコンビニにもリストラの波が押し寄せ、日本の小売業は大きな曲がり角を迎えている。

【表1】を見ていただきたい。

※クリックで拡大

~この表から見えるもの~

 そごう・西武は先月末の9月30日、西武高槻店とそごう神戸店の2店を閉鎖。この2店はリニューアルして10月5日から高槻阪急、神戸阪急に屋号を変えて再オープンしている。

 20年8月に、西武岡崎店、西武大津店、そごう西神店、そごう徳島店の4店を閉店。21年2月にそごう川口店を閉店する。閉店する店舗のなかで規模が最も大きいのはそごう川口店。ピーク時の売上高は359億円(1997年2月期)だったが、直近では159億円まで縮小していた。

 閉店する西武大津店は1976年6月に開店。西武グループの創業者、故堤康次郎氏(1889~1964年)の出身地(滋賀県)で、市民に半世紀近く愛された「百貨店」だった。同店の閉店を受け、三日月大造知事は「開店以来、大津のにぎわいづくりに大きな役割をはたしていただいた。大変驚くとともに残念」と述べ、また大津市の越直美市長も「大変驚いている。多くの市民が利用していた店舗だけに大変残念な発表だ」とのコメントを発表している。

 また西武秋田店と西武福井店は売り場面積を縮小する。この2店舗については「効率改善を通じて、成長軌道への復帰をめざす」(同社)としているが、閉店予備軍と推測される。

<まとめ>

 現在西武は8店舗あるが2店閉鎖して6店、そごうは7店あるが3店閉鎖して4店。西武・そごうは計10店に縮小することになり、厳しい経営は今後も続くことが予想される。しかし、あくまでも巨大企業セブン&アイ・ホールディングスの傘下企業であり、倒産するリスクはない。むしろ、単独で百貨店を経営している全国の経営者に、大きな衝撃を与えたのではないだろうか。

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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