2024年04月20日( 土 )

病気の予防は「ニコニコ」「テクテク」「カムカム」が重要~予防医療の新しい風(1)

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海風診療所 院長 沼田 光生 氏

 予防医療・健康増進を実践する医療施設として、全国から年間延べ3万人以上が訪れる診療所として注目されているのが海風診療所。今回、院長・沼田光生氏に、同院が推進する、予防医療事業の内容について聞いてみた。

 ――海風診療所では独特の健康増進や予防医療に関わる活動を積極的に展開しています。その活動経緯についてお聞かせください。

海風診療所 院長 沼田 光生 氏
海風診療所 院長 沼田 光生 氏

 沼田光生氏(以下、沼田) 私はもともと、大阪で脳外科を専門に救急医療などをしていたのですが、脳外科というのは悲しい現場で、懸命に治療していても、大きな後遺症が残るようになることや植物人間、または脳死になってしまったりとか、治療しても患者が残念な結果に終わることが多いです。そこにやり甲斐を感じなくなり、病気にさせない医療、つまり予防医療をしたいと思うようになりました。実施するにあたり、場所を探すのにも苦労したのですが、出身である山口県周南市で良い場所があったので、ここで活動を始めました。

 ――具体的な取り組み・コンセプトについて教えてください。

 沼田 当院では「精神」「血流」「栄養」をそれぞれ良好に保つことが病気をせず健康を維持する要素としています。この3要素を「ニコニコ」「テクテク」「カムカム」という合言葉として使っています。「ニコニコ」とは笑顔を意味する心のコントロール、テクテクとは「てくてく歩く」という意味で血流を良くする運動、「カムカム」とは噛むことを示す栄養のコントロールです。わかりやすくいうと、笑顔を心がけ。精神的なストレスをなくし、日頃から欠かさず運動を行い、栄養バランスの良い食事をしっかり噛んで味わうことが重要であると伝えています。

 ――院内の設備内容も「ニコニコ」「テクテク」「カムカム」を意識したつくりのようですね

 沼田 1階にカフェと鍼灸接骨院、2階にトレーニング施設と統括する診療所、3階に心理カウンセリングルームも兼ねた多目的ルームという構成にしています。予防医療を進めるうえで病気になってから相談するのではなく、病気になる前に相談にきていただきたいので、立ち寄りやすく、遊びに行くような感覚で利用していただきたいという意図もあり、1階をカフェにしています。カフェでは「5彩色健康バランス健康法」と呼ぶ、黒・緑・黄・赤・白の彩りを持つ栄養バランスを考えた食事を提供しています。

 このほか糖質を使わず、体の老化の原因となる糖化・血糖の乱高下を抑える低糖質ランチやスイーツなども用意しています。1階に併設で鍼灸院を置いているのは、西洋医療と東洋医学を統合した診療を展開していることが理由です。2階は個別のパーソナルトレーニング施設として、加圧トレーニングを主体にトレーナーもそろえています。3階は提携するメンタルサポート事業の会社から心理カウンセラーの先生を派遣していただき、うつやストレスなどの心のケアを「インナーチェンジングカウンセリング」という、身内には打ち明けられない感情を、カウンセラーのサポートで吐き出して楽になっていただく手法を行っています。

 治療の基本としては、発症する原因となる、生い立ちや家族環境など、根本的な部分からアプローチしていくかたちです。そこには「ニコニコ」「テクテク」「カムカム」の3要素の活動も含めたケアを提供しています。

海風診療所
海風診療所

(つづく)

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