2024年04月16日( 火 )

~姪浜特集~アクセス強みに交流人口拡大へ

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福岡県議会議員(西区) 田中 久也 氏

西区最大の人口集積地

 ――姪浜最大の魅力は、どこにあると考えられますか。

 田中 やはり交通アクセスの良さにあると思います。福岡屈指の商業集積地である天神まで地下鉄一本で15分程度。通勤・通学圏域としての利便性の高さは、申し分ない水準にあります。

 ――姪浜と小戸、両エリアの特色の違いも魅力の1つです。

田中 久也 氏
田中 久也 氏

 田中 姪浜周辺は、漁業、農業、鉱業、商業の特色が地区ごとに色濃く残されています。姪浜エリアはマンション居住者を中心に人口も増加傾向で推移しており、生活の拠点となっています。小戸エリアも住宅地ですが、海辺の小戸公園やマリノアシティ福岡などの商業施設へ、遊びや買い物などに出かけるイメージのほうが強いかもしれません。

 今でこそ人で賑わう姪浜ですが、かつての駅周辺は十分に整備された空間とは言い難く、乱雑でゴチャゴチャした状態でした。それが、地下鉄が開通してからはトイレなどの設備も充実していき、近隣一体も落ち着いた雰囲気へと変わっていったのです。

 

 ――まちとして成熟し、人口も増え、姪浜は周辺エリアと合わせて西区屈指のブランド力を得ました。

 田中 豊浜団地は炭鉱が閉山した後、残されたボタ山で海を埋め立て、そのうえにできたものです。これが功を奏したと思います。当時は地元の方が家族連れで新しく建てられた家の見学に行くなど、大きな話題になりました。相応数の新住民が誕生したこともあり、そこからの開発と人口増の勢いはすさまじいものがありました。

 現在は一戸建よりも、マンション建設が目立ちます。姪浜校区だけでも人口は1万人を優に超え、そのうちのほぼ半数がマンションの住民です。まち全体としては活気がもたらされたといえますが、地域ごとに見ると、住民間のコミュニケーションの希薄化が課題となっています。今後は地域コミュニティの維持・発展にも目を向けていかなければなりません。

地域住民の利便性向上が第一

 ――交通アクセスの話になりますが、七隈線に関しては依然として姪浜までの延伸を求める声が挙がっています。

 田中 七隈線で橋本~姪浜間が結ばれれば、同区間中にある学校や職場に通う方々の利便性は向上するでしょう。同区間中には学校が数多く、橋本駅から先の福岡大学へのアクセスも一本で済むようになります。橋本~姪浜周辺エリアの学生はもちろんですが、姪浜駅がJR筑肥線とも結節していますので、姪浜以西から通う学生にとっても利便性の向上につながります。

 ただし、七隈線と空港線では線路幅などの規格が異なりますので、直接接続させることはできません。西鉄・福岡(天神)駅と地下鉄・天神駅のように、乗り換えるかたちで対応するのが現実的でしょう。

 ――仮に七隈線橋本~姪浜間の開通が実現すれば、交通渋滞の緩和にも役立ちます。

 田中 交通網の整備は、利用者となる地域住民の方々の利便性向上を第一に行わなければなりません。マンション建設を主とした姪浜の開発も一息つきました。今度は強みである交通アクセスの良さを追求し、周辺エリアとの交流人口拡大によって、まちの賑わいづくりに取り組んでいくことが求められます。

【代 源太朗】

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