2024年04月20日( 土 )

城島健司氏のソフトバンクホークス復帰がもたらすモノとは?

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 福岡ソフトバンクホークス(以下ホークス)OBで元メジャーリーガー・城島健司氏のホークス復帰が報道された。どのような役職に就任するかなどの詳細は、本日(12月20日)の記者会見で公表される模様だ。

 城島氏は、幼少のころから王貞治氏(ソフトバンクホークス球団会長)にあこがれ、野球に励んでいた。別府大学附属高等学校時代は1年生の時から4番を任され、走攻守3拍子が揃った超高校級捕手として、注目を浴びていた。

 当初は駒沢大学への進学が決まっていたが、1994年11月17日のドラフト会議でホークス(当時ダイエー)が1位指名(当時は現行ルールが存在せず)した。当初、城島氏はプロ入りを拒否していたものの、王氏がホークスの監督に就任してすぐに、自ら城島氏に入団を要請したことで、城島氏はホークス入団を決意した。おそらく今回も、王会長との深い縁があってのことだろう。

 城島氏の現役時代の成績は割愛するが、国内稀代の名捕手として今後も語り継がれていくことは間違いない。才能だけでなく、見えないところで血の滲むような努力を重ねて、国内を代表する捕手になったと、関係者から聞いたことがある。

 2012年の現役引退後は、球界から離れたポジションにいて、表立っての野球評論や指導などの活動を控えていた。7年ぶりの球界復帰は、日本球界にとって明るいトピックスである。

 球界を代表する捕手の英知を、これからの選手たちに引き継いでいくことは、意義深いことだ。そして、何よりもホークスがより進化・発展するための強力な頭脳となることは明らかである。

 一方で球界での7年間のブランクがあることもたしかである。一部メディアは、「工藤監督の後継者」などと報道しているが、それは早計である。なぜなら、城島氏は一度もNPBでの指導経験がないからだ。「輝かしい経験があるから、いきなり監督になっても大丈夫」という意見もあるが、それでプロの選手をマネジメントできるほど、プロ野球の監督業は甘くない。

 コーチ経験のない人物が監督に就任して成果を出している例もあるが、その方々は、「プロの評論家」としてスタジアムやグラウンドに足を運び、野球そのものを勉強しており、まったく現場から離れていたわけではない。

 私見だが、城島氏が今後順調に活動を続けていけば、ホークスの監督に就任することは間違いないだろう。また、ファンも球団もそれを望んでいると思われる。城島氏の復帰で、ホークスは、よりいっそう注目を集める。今回の件で、それだけの存在であることを再認識させられた。

 城島氏には、ぜひとも2軍や3軍の選手を指導する立場になっていただきたい。その経験が今後、ホークスの監督になった際に必ずいかされるだろう。これまで培った野球選手としての経験・技術を正しく、そして確実に次世代の選手に引き継いでいくことが、稀代の名捕手である城島氏の使命であり、それがホークス、そして日本球界の進化・発展へとつながっていくことになる。

【河原 清明】

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