2024年04月20日( 土 )

年末年始注目のスポーツイベント(4)─第72回全日本バレーボール高等学校選手権大会─

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 今年も残すところ、あとわずか。年末年始の慌しいこの時期に、スポーツ界では「チャンピオンシップ大会」が繰り広げられる。そのなかでも、とくに注目されるスポーツイベントについて紹介していく。今回は「第72回全日本バレーボール高等学校選手権大会」。

 今回で72回目を迎える同大会は、2020年(令和2年)1月5日に開幕し、1月12日に決勝戦が行われる。男女とも52校が出場し、武蔵野の森総合スポーツプラザで熱戦が繰り広げられる。

 同大会は、1948年から開催されており、全国高等学校総合体育大会バレーボール競技大会(インターハイ)、国民体育大会バレーボール競技(国体)と並ぶ高校3大大会として位置づけられている。

 かつては3月の開催だったが、3年生の有力選手が、次のステージで競技を継続する間、ブランクが生じる(3年生卒業後の開催だったため)という課題があった。そのため、3月開催から現行の1月開催へと変更し、3年生が出場できる大会とした。

 『春高バレー=バレーボールの甲子園』とも呼ばれるように、高校バレーボール界で重きを置かれているチャンピオンシップ大会として名高い同大会。前回優勝は、男子が洛南(京都)、女子が金蘭会(大阪)。最多優勝は、男子が崇徳(広島)の7回、女子が四天王寺(大阪)の11回である。福岡県の優勝は、男子が1954年の直方と2015、16年の東福岡の連覇。女子は、1955年の明善と72年の博多女子商(現・博多女子)。今大会の福岡県代表は、男子は東福岡で9年連続11回目、女子は誠修で2年ぶり17回目。

 今大会は、男子の前回優勝の洛南が予選で敗退し出場していない。下馬評では、清風(大阪)、東北(宮城)、鎮西(熊本)、松本国際(長野)、そして東福岡が優勝候補に挙げられている。また、ノーシードで県大会を制した42年ぶり2回目出場の新潟県代表の佐渡高がダークホースとして注目されている。

 女子は、金蘭会の「3連覇なるか?」が注目される。東京の名門・下北沢成徳が予選で敗退するなど、「女子は今大会も混戦で、強豪・古豪とも鍔迫り合いの戦いとなる」と専門家は分析しており、激戦が予想される。

 この大会からは、次世代のバレーボール界を担う人材が輩出されている。今大会でも新たな“スター”候補がどれだけ出てくるのか楽しみである。また、近年のバレーボール界では、リアルタイムでデータを分析しながら、ゲームマネジメントが行われているのも特色である。高校カテゴリーにおいて、予算や専門スタッフなどの面で、データ分析がどれだけ行えるかは各校によって差異があるが、全国レベルの高校では相応の分析力を有しながら、戦術を構築し、より緻密なゲームマネジメントが行われる。

 バレーボールの競技特性は、得点をいかに早く獲得するかである。25点先にスコアすることで1セットを獲得できる。(24-24以上になるとデュースで2点差になるまで継続される)。そして、タイムアウトが取れて、選手とコーチ陣の間で30秒のコミュニケーションが取れる。つまりベンチワークも勝敗を大きく左右する。選手のパフォーマンスとともに、監督・コーチのマネジメントにも注目だ。

【河原 清明】

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