中心地活性化の一助を担う複合商業施設「COCOSA」
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(株)南栄開発
「くまもと景観賞」受賞
2017年4月、熊本市の中心市街地・下通で複合商業施設「COCOSA(ココサ)」が開業した。
同施設は、14年5月に閉店したダイエー熊本下通店跡地と、それに隣接する櫻井總本店跡地を統合し、地場デベロッパーの(株)南栄開発と、地場老舗の靴・鞄店の(株)櫻井總本店とが共同開発を行ったもの。新たに建てられた地上8階・地下1階建ての「下通NSビル」のうち、地下1階から地上5階までが「COCOSA」で、残る6~8階がオフィスビルとして運用されている。
主に20~40代の女性をターゲットにしたテナントを取りそろえ、熊本の民謡「あんたがたどこさ」に由来する施設名称には、「熊本の中心は“ここさ”」「熊本のファッションといえば“ここさ”」――と、この場所が熊本・ファッションの新たな中心地・発信地となるような想いが込められている。
下通アーケードに面し、西側100mの場所には熊本市役所もあることから、1階部分の通り抜け通路は施設の営業時間外でも開放し、まちの回遊性向上に寄与。また、5階以上をセットバックさせ、総ガラス張りで分節された建物外観は、まちへの圧迫感を軽減しつつも、躍動感を創出している。こうした周辺に与える好影響が評価され、同施設は18年2月には「第29回 くまもと景観賞」の地域景観賞を受賞した。
点から面に賑わい広げる
COCOSAから南西に約500m離れた場所では、19年9月に大規模複合施設「SAKURA MACHI Kumamoto」(サクラマチ クマモト)が開業。中心市街地での新たな大型商業施設の登場による、COCOSAを始めとした周辺の商業施設への影響が気になるところだ。
これに対し、南栄開発の代表取締役社長・斉藤忠氏は、「サクラマチの開業以降、下通の通行量が約2割増となっただけでなく、COCOSAの売上も約2割増加しています。以前は、中心部では鶴屋百貨店を目当てに来る人が圧倒的でしたが、サクラマチができたことで、この2点間の往来が増え、それが周辺施設にも波及しているようです」とコメントする。
魅力ある複数の商業施設が存在することで、それまでの“点”の賑わいが、エリアとしての“面”にまで広がったようだ。「COCOSAでも施設の魅力向上に努め、周辺と切磋琢磨しながら、エリアとしての活性化につなげていきたいと思います」(斉藤社長)。
名称の由来となった童謡のように末永く人々から長く愛される、熊本ファッション・文化のランドマークを目指す。
【坂田 憲治】
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