2024年03月29日( 金 )

九州地銀(18行)の「20年3月期 第三四半期決算」

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 【表1】を見ていただきたい。本日午後4時に九州FGが決算発表を行い、九州地銀(18行)の20年3月期 第三四半期決算が出そろった。

※クリックで拡大

~この表から見えるもの~

 昨年トップは2月4日(月)で、西日本FH(西日本銀行・長崎銀行)と南日本銀行だったが、今年は曜日の関係で1日早まり2月3日(月)。トップは南日本銀行だった。

 翌4日(火)に福岡中央銀行が2番目に発表。以下、昨年とほぼ同じような順となっている。

・昨年は最後日に決算発表をした豊和銀行は3日繰り上がり、競合する大分銀行と同じ2月10日。

・今年は九州FG(肥後銀行・鹿児島銀行)が最後日となる本日13日(木)の発表となった。

 全体的に見ると、発表が早いグループ、通常のグループ、遅いグループにわかれているように見える。

 【表2】を見ていただきたい。九州地銀(18行)の20年3月期 第三四半期(12月期)の経営成績推移表である。

※クリックで拡大

~この表から見えるもの~

 当期純利益が前年より減益の銀行は、赤字に転落した十八銀行(▲30億6,800万円)を含めて12行で、増益行は6行となっている。

 当期純利益が1位は福岡銀行。前年比▲44億2,000万円の345億1,500万円(前年比▲11.4%)。

・2位は西日本銀行。前年比▲40億6,900万円の126億7,100万円(前年比▲24.3%)。
・3位は肥後銀行。前年比+12億5,300万円の108億7,300万円(前年比13.0増%)。
・4位は鹿児島銀行。前年比▲5億1,900万円の90億3,800万円(前年比▲5.4%)。
・5位は宮崎銀行。前年比▲16億3,400万円の55億6,300万円(前年比▲22.7%)。
・6位は大分銀行。前年比▲29億8,500万円の39億400万円(前年比▲43.3%)と、上位6行のなかでただ1行だけ40%を超える減少率となっている。
・7位は第二地銀の熊本銀行。昨年5位の十八銀行、6位の親和銀行、7位の佐賀銀行(いずれも第一地銀)よりも上位となっているのが目に付く。
・中位行以下で前期比大きく増益となっているのは、筑邦銀行(前期比262.7%増)と、南日本銀行(前期比27.2%増)の2行。

<まとめ>

 ふくおかFG傘下の十八銀行と親和銀行は今年10月1日に合併して「十八親和銀行」となる。

 十八銀行の19年12月期の当期純利益は前年比▲60億800万円の▲30億6,800万円の赤字。また親和銀行も前年比▲35億5,000万円の2億8,300万円(▲92.6%)と、大幅な減益となっているが、経営基盤を同一にするための生みの苦しみであることが読み取れる。今後、九州だけではなく、全国の地銀で経営統合が予想されており、合併のモデルケースになりそうだ。

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

関連記事