2024年04月20日( 土 )

あたかも温泉を使用しているかのように表示~埼玉県秩父市の旅館業者に措置命令

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 埼玉県は2月17日、景品表示法違反(優良誤認)があったとして、埼玉県秩父市の旅館「旅籠(はたご)一番」(坂本俊彦代表)に対し、措置命令を下した。

 県によると、2004年12月頃から20年1月22日までのおよそ15年以上にわたり、自社ウェブサイト内で、「露天風呂」「内風呂」「露天風呂付客室」を紹介。紹介文には、「自慢の温泉と心温まるおもてなしでお待ちしております」「当館自慢の露天風呂は心も肌も安らぎに包まれる自然石で造られており、お部屋ごとの貸切もできます」「旅の疲れを癒し、いつでも心と体を優しくときほぐしてくれます」などと記載されていた。

 一般消費者から問い合わせがあり県が同旅館を調査したところ、実際は温泉法で規定されている温泉(※1)を露天風呂では使用していなかったことが判明。これにともない、県は同旅館が自社サイト上で、あたかもすべての風呂に温泉を使用しているように表示していることが優良誤認にあたると判断。旅籠一番に対し、景品表示法に違反する表示を行っていたことを一般消費者に周知徹底するとともに、再発防止策を講じ、今後同様の表示を行わないよう措置命令を下した。

 県の担当職員によると、措置命令が下されたのは自社サイトの表示であり、ほかの媒体は修正の対象にはなっていない。正式な処分が下される前から同旅館に対して指導が行われており、優良誤認にあたる表示は徐々に修正されているという。

【長谷川 大輔】

※1:温泉法第2条
この法律で「温泉」とは、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分 とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう。

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