神奈川県の有料老人ホームに改善命令~県と事業者との間で認識に食い違い
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神奈川県は2月14日、有料老人ホーム「シルバーハウス風の里」を運営する(有)マルタケ(神奈川県足柄上郡松田町、竹内義徳代表)に対し、同日付で業務改善命令を下した。
県によると、外部からの指摘を受けて老人ホームに立入検査を実施したところ、利用者に対し、適切な対応ができていなかったことが判明。県は同社に対し、2019年11月11日付で改善報告書などの提出を求めていた。しかし、県が設定した2020年1月14日の期限までに、(1)必要な職員の配置、研修の実施(2)施設の管理・運営体制(3)入居者に対するサービス提供、健康状態の把握や健康保持のための措置について改善が確認できなかったため、今回の措置に至った。事案の詳細については明らかにされていない。
県は同社に対し、上記3点についての改善報告を3月31日までに求めている。県の職員によると、次回期限までに改善報告が確認できなかった場合、同社に対し、業務の一部制限や業務停止措置を検討するとしている。
同社は立入検査が入った背景として、「昨年10月に4階の入居者が救急車で運ばれたが、その際、病院側が『(搬送者の顔に傷があることから)虐待の可能性が考えられる』と県に報告したことがきっかけではないか」と説明。虐待の事実があったのかという問いに対しては、「1階から4階は高齢者向けの賃貸住宅として貸し出している。職員による虐待などは考えられない」と話した。
県が適正な職員を配置していないと指摘している点については、「住宅型有料老人ホームの届け出は5階6階部分。そこについては必要な人員をシフト管理などで常時配置していた」と述べ、「県から指摘を受けた際、こちらも具体的にどう配置すればいいのか相談したが、県からは満足な回答をもらえなかった」とコメント。
それ以外の指摘項目についても、「たとえば食事サービスについてはもともと3食きちんと提供しているし、非常災害訓練もすでに実施している。にもかかわらず県からは『不十分』だと指摘を受けている。ではどこまでやれば『十分』と見なしてもらえるのか。今は改善命令に沿って必要な措置を講じていくしかないが、明確な基準を示してほしい」と話した。
【長谷川 大輔】
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