2024年04月17日( 水 )

【上位3社以外から初】電事連次期会長に九電・池辺和弘社長が内定

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九州電力HPより

 電気事業連合会(電事連)の次期会長に、九州電力の池辺和弘社長が内定した。

 電事連は電力大手で構成される団体で、全国10社が加盟。会長職はこれまで東京電力、関西電力、中部電力の3社から選ばれるのが慣例となっており、3社以外から会長が選ばれるのは初めて。

 池辺社長は大分県日田市出身の62歳。大分県立大分舞鶴高校を経て東京大学法学部を卒業、1981年に九電入社後は、米・ワシントン大学留学をはさんで主に人事・総務畑を歩き、経営企画本部副本部長や取締役常務執行役員を歴任、2018年に社長に就任した。早くから能力が評価されてきた「九電のホープ」。

 福島第一原子力発電所事故以降、電事連会長から遠ざかったままの東京電力、昨年発覚した経営幹部らの金品授受問題などで信用が失墜した関西電力など、「敵失」によって会長職を得たかたちの池辺社長。上位3社と九電の間には実績や事業規模などで大きな差があり、業界団体を束ねる指導力や調整力など池辺社長自身の力量も未知数だ。

 九電については、2011年に発覚した「やらせメール問題」などから「隠蔽」体質を指摘する声もある。今年1月には、九電玄海原発が立地する佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が、建設会社から現金100万円を受け取っていた問題が発覚。原発をめぐる「闇」の深さが改めて明るみになったかたちだ。

 透明性を高めて、国民の信頼を得ることができるのか、池辺社長の手腕に注目が集まる。

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