ハードの信頼性向上で普及のカギを担う
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(株)ライナフ
美和ロックと共同でNinjaLockMを開発
スマートフォンの専用アプリなどを用いることで、物理キーがなくともカギの開閉を可能とする「スマートロック」。だが、その利便性にもかかわらず、これまで国内ではあまり普及が進んでこなかった。
その大きな要因として、「1つはそこにコストをかけるだけの需要が少なかったこと、もう1つはスマートロック自体の品質に課題を抱えていたことが挙げられます」――と話すのは、スマートロックを含めた不動産管理サービスを開発する(株)ライナフの代表取締役・滝沢潔氏。従来製品の多くは、毎日の生活で安定稼働するには、耐久性や操作性などの面で課題があったというのだ。
そこで同社では昨年4月、カギの総合メーカー・美和ロック(株)と共同で、賃貸住居に特化した機能をもつスマートロック「NinjaLockM(ニンジャロック・エム)」を開発した。同商品は従来製品に比べてトータルコストを大幅にダウンさせただけでなく、美和ロックが定める品質試験をクリアするなど、高い防犯性と耐久性を実現。
「おかげさまで、発表後から多くの問い合わせをいただいています。信用ある大手メーカーと共同開発ができたことで、物件オーナーや管理会社に安心して使っていただける仕様となりました」(滝沢社長)と自信をのぞかせる。「NinjaLockM」では入退去時の鍵交換も不要となっているが、将来的には物理キーをなくすことまでを視野に入れているという。
“モノ売り”から“コト売り”への転換を
これまであまり普及が進んでこなかったスマートロックだが、「NinjaLockM」の登場もあって、潮目が変わりつつある。今後、家事代行やセキュリティなどのサービスと連動するようなコンテンツが表れてくれば、普及スピードはさらに大きく加速していくだろう。
「デジカメを例にとると、黎明期から一般に行きわたるまでに5~6年を要していました。ちょうど、弊社のスマートロック初号機の発売から、今年の夏で5年を迎えます。これからはアライアンスを含めて、サービス拡充に本格的に着手していきます。今後、不動産テック企業として、サービス強化のためにさまざまなコンテンツを使って、スマートロックでできることを増やしていきたいですね」――と滝沢社長。同社は今後、“モノ売り”から“コト売り”への転換を図り、スマートロック普及の先駆者を目指していく。
【長井 雄一朗】
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