2024年04月24日( 水 )

九州地銀の「20年3月期 第三四半期決算」を検証する (1)

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 【表1】を見ていただきたい。九州地銀(18行)の20年3月期 第3四半期決算発表日の推移表である。一番早かったのは南日本銀行で2月3日(月)だった。一方、一番遅かったのは九州FGで2月13日(木)だった。

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 【表2】を見ていただきたい。九州地銀(18行)の20年3月期 第三四半期(12月期)の当期純利益順位表である。1位~6位までは第一地銀が占めている。

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~この表から見えるもの~

 九州地銀(18行)の12月期の当期純利益が1位は福岡銀行。前年比▲44億2,000万円の345億1,500万円(前年比▲11.4%)。
・2位は西日本シティ銀行。前年比▲40億6,900万円の126億7,100万円(▲24.3%)。
・3位は肥後銀行。前年比+12億5,300万円の108億7,300万円(13.0%増)。上位6行のなかで、1行だけ増加している。
・4位は鹿児島銀行。前年比▲5億1,900万円の90億3,800万円(▲5.4%)と微減。
・5位は宮崎銀行。前年比▲16億3,400万円の55億6,300万円(▲22.7%)。
・6位は大分銀行。前年比▲29億8,500万円の39億400万円(▲43.3%)。十八銀行、親和銀行につぐ3番目の減少率。順位の変動はない。

 7位は前年10位の熊本銀行。前年比+3億8,700万円の25億5,200万円(17.9%増)。第二地銀(7行)のトップを守っている。
・8位は佐賀銀行。前年比+2,900万円の23億3,300万円(1.3%増)。
・9位は北九州銀行。前年比+3億1,300万円の21億5,800万円(17.0%増)。

 10位は南日本銀行。前年比+2億8,500万円の13億3,400万円(27.2%増)。
・11位は筑邦銀行。前年比+7億3,300万円の10億1,200万円(262.7%増)と大幅増益。
・12位は豊和銀行。前年比▲3億7,300万円の9億5,500万円(前年比▲28.1%)。
・13位は宮崎太陽銀行。前年比▲1億5,100万円の9億2,100万円(前年比▲14.1%)。
・14位は福岡中央銀行。前年比▲9,500万円の4億7,100万円(前年比▲16.8%)。
・15位は前年7位の親和銀行。前年比▲35億5,000万円の2億8,300万円(前年比▲92.6%)。十八銀行と合併予定のため、店舗統廃合などの影響により大幅な減益。
・16位は佐賀共栄銀行。前年比+6,000万円の5億700万円(13.4%増)。12位以下は前年比マイナスのなか、ただ1行だけ増益となっている。
・17位は長崎銀行。前年比▲1億6,700万円の7,100万円(前年比▲70.2%)と厳しい状況。
・18位は前年8位の十八銀行。前年比▲60億800万円の▲30億6,800万円。親和銀行と同じく、店舗統廃合など、合併に向けての処理により赤字に転落している。

<まとめ>

 筑邦銀行は今年1月17日、金融持株会社のSBIホールディングスと資本業務提携を発表しており、金融グループ傘下行は10行となる。福岡銀行出身者が歴代頭取に就任している福岡中央銀行を含めるとグループ行は11行。単独行は第一地銀3行(佐賀・大分・宮崎)と第二地銀4行(佐賀共栄・豊和・宮崎太陽・南日本)の計7行。地銀の経営環境は厳しい状況が続いており、地銀同士だけでなく、ほかの金融グループとの経営統合は、今まさに、「待ったなし」の時期ではないだろうか。

(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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