2024年04月26日( 金 )

連載 東亜大学~疑惑の指導者更迭(2)─将来を嘱望されていたが…

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 過去、当NetIB-Newsでは(学)東亜大学学園の東亜大学の学校経営マネジメントに対して、疑義を報じてきた。今回、「東亜大学の女子柔道部の監督が昨年9月に突然更迭された。客観的に当該監督は、何ら落ち度はないにもかかわらず…。監督本人そして関係者は当惑している」とする旨の情報が外部関係者から弊社へもたらされた。

実力・人格とも優れた指導者

 東亜大学女子柔道部の当時の監督は、選手時代の実績もさることながら、指導者として将来を嘱望されていたという。それは、「監督の常に謙虚で学ぶ姿勢をもち続け、学生に対しても決して偉ぶることなく、1人ひとりに対して適材適所の指導を行っておりました。選手としてもさることながら、指導者としての素養をもち合わせており、必ずや女子柔道界でも指折りの指導者になると言われておりました。もちろん学生たちも、監督とともに連日厳しいトレーニング・稽古に励みながらも“とても充実しています。監督のご指導のおかげです”と。つまり、監督と学生たちとは密なコミュニケーションの下、決して馴れ合いや仲良しということではなく、規律と礼節が明確で、とても良好な関係を構築していたのですよ」(前出複数の関係者談)。

 また、当該監督の指導ほかあらゆる場面において、行き過ぎ=ハラスメントの行為は確認していない。おそらくその類いの行為は無かったと推察され、取材を通してまったく聞かれなかった。

 教え子が同学へ進学し、女子柔道部に入部したある高校柔道部の顧問は、「2年前に新たに東亜大学に女子柔道部が創部され、すぐに監督が挨拶に来られました。その監督は、国内女子柔道界で、誰もが知っている選手でした。選手時代はトップクラスの実力もさることながら、礼儀正しくかつ常に向上心をもちながら稽古に励み、人間力豊かな方でした」と語る。続けて「うちの生徒に“ぜひとも東亜大学に入学し、女子柔道部で活躍してもらいたい”とスカウト・勧誘してくださったのです。その声を掛けてもらった選手は、将来性豊かで、国内そして世界レベルにまで成長できる素養と実力がありました。ほかの大学からもお話をいただいておりましたが、本人から“東亜大学に入って監督さんの元で稽古・鍛練して成長したい”という意思表示がありました。それなら監督に面倒を見てもらって、柔道選手そして1人の人間として成長させてもらえることを期待して、東亜大学への進学を決めたのです。親御さんにも喜んでいただきましたよ。そして、入学後も時々監督から“学業・柔道ともに真面目にひたむきに取り組んでおり、毎日成長しています”と連絡をいただいておりました。本人からも“とても充実しています。東亜大学そして監督さんの元で日々鍛練できて幸せです。必ず結果を残します”と頼もしい言葉をいつももらっておりました。東亜大学に進学させて本当に良かった!」。

 この選手以外も、当時の監督の元で、学業そして柔道に対して真摯に打ち込み、日々充実した学生生活を送っていたという。

 だが、同学女子柔道部に、突然激震が走ることとなる。それは19年9月に当該女子柔道部の監督が、突如更迭されたことだ。理由は「監督として不適格である」のみであるという。当の監督本人に事前に何らコミュニケーションもなく、一方的に学校側から通告されたのだ。

(つづく)

【河原 清明】

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