2024年04月24日( 水 )

コロナ感染者数6月に10億人突破の勢い

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のメルマガ記事から一部を抜粋して紹介する。今回はウイルスとの戦い=戦争と表現するなら、防衛予算をまずは優先してコロナ対策に充当すべきとした4月3日付の記事を紹介する。

 米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)の集計によるとコロナウイルスの感染確認者数は4月3日時点で100万人を突破した。死者は5万3,000人に達した。
 感染者数が50万人を超えたのが3月27日、わずか1週間で2倍になった。このペースで感染が拡大すると4月末までに感染者は1,000万人を突破し、5月下旬には1億人を超え、6月中旬には10億人を突破する。脅威であるのは死亡率が高いことだ。
 100万人の感染者数で5万3,000人の死者であるから致死率は5.3%。5月下旬に感染者数が1億人を超えると死者は500万人を超え、6月中旬に感染者数が10億人を超えると死者は5,000万人を超える。
 第2次世界大戦による犠牲者数は5,000万人~8,000万人とされる。1918~19年にかけて感染が拡大したスペインかぜによる死者は5,000万人~1億人とされる。これに匹敵する犠牲者が発生することになる。
 あくまで単純な仮定計算であるから、この通りに事態が推移するということではないが、極めて重大な脅威であることは間違いない。それにもかかわらず、安倍内閣の対応はあまりにも遅い。
 すでに紹介したが、現在の日本は3週間前の英国であるとの正鵠を射た指摘(3月30日掲載記事)を軽視すべきでない。
 『「日本も3週間後、地獄を見る」まるで戦争…欧州に住む日本人の警告
 感染は幾何級数で拡大する。これがオーバーシュートだ。日本でもすでにオーバーシュートが始動している。断片的に発せられる不完全な感染者数がオーバーシュートを明らかに示唆している。
 日本の対応の最大の欠陥は検査を妨害していること。上昌弘氏も山中伸弥氏もこの点を指摘している。
 本ブログ、メルマガも一貫して検査拡大を主張してきた。技術的に検査拡大は可能なのだ。しかし、安倍首相と加藤勝信厚労相がこれを阻止している。
 最優先されるべきは、この2名の更迭だ。
1.安全に検査をする
2.軽症者、無症状者は入院以外の対処をする
この2点を確立すれば検査を拡大するデメリットはない。
 検査結果に誤差が生じることは確率的な問題だ。
 その制約があること差し引いても検査を拡大するメリットが大きければ検査を封印する正当な理由にはならない。検査もせずに布製マスクを配っても何の役にも立たない。
 安倍内閣が検査を妨害するから現状が正しく認識されない。オーバーシュートの認識がないなかで実際にオーバーシュートが進行すればパニックになることは間違いない。人と人との接触を最小限に抑制して、感染拡大のスピードを落とさなければ医療崩壊が生じるのだ。

※続きは4月3日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「コロナ感染者数6月に10億人突破の勢い」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

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