2024年04月26日( 金 )

ビッコロ三番街を地元起業家のスタートアップの場に~(株)ワークスープ代表取締役社長・嶋田秀範氏

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小倉・魚町の「パパ」とも呼ばれる嶋田秀範氏は「小倉の仕掛け人」でもある。ビッコロ三番街、ポポラート三番街、メルカート三番街と、リノベーションで老朽化していたビルを再生。全国でリノベーションによる街おこしを行ってきた一人だ。嶋田氏に現在の状況と、「次の一手」について聞いた。

小倉・魚町商店街の「今」

嶋田 秀範 氏

 休日は、インバウンド、観光客、買い物客でにぎわいが戻ってきていた魚町ですが、その当時を10とすると今は、3~4ぐらいの人通りとなっています。

 ビッコロ三番街でもキッチンスタジオや、自由市(店頭)でのイベントのキャンセルが続いています。車もめっきり少なくなりました。29日の午前9時ごろ、ビッコロ三番街にいたのですが、大通りに車が通っておらず、驚きました。

 平日は、多少様子が変わってきます。食品・食材関連は、少しずつですが動いています。ここにしかない食材や、加工品、オーガニック系の食品などをまとめ買いする人もいます。やはり、お客さんの数は減っているのですが、家庭での時間が増えたため、まとめ買いする方もいて、単価が上がっているところもあるようです。

 メルカート三番街の服飾デザイナーさんは、マスクを手作りして無料で配布する活動を行っていました。利益が少ないからと店を休むより、今出来ることを考えて活動しています。デザイナーが作ったモノなのでクオリティもなかなかのものです。

 ポポラート三番街の手作り作家さんは、マスクを手作りし、販売しています。子ども用、大人用、老人用と、きめ細かく対応し、需要を掘り起こしています。

 ビッコロ三番街で新たに出店・販売したいという方もいます。帽子を販売している方などですが、大型商業施設が閉鎖となったため、販売できる場所を探していました。自由市で、期間限定で販売しています。

 色々な商材を出張販売するための「レンタルカーゴ自転車」があるのですが、これも、お弁当の販売などに使いたいという方がいます。飲食店はさすがに夜、閉店しているお店もありますが、一部の夜のお店は、午前中から開けていたり、昼のお弁当を販売したりとできる範囲で変化していっています。

 この地域の人たちは、今、自分たちが出来ることを自分たちが出来る範囲で行うことで次の活動の糧であったり、つながりを作ったりしています。

 大手・チェーン店ではできない機動的に商材を変化させ、しっかり需要にあったものを作り出していくことを目指しているのが、この場でしかできない“小商い”の大きな特徴です

次の一手は?

 実は、現在次の準備のための片づけをしています。ビッコロ三番街で活動したいという人は、このような厳しい時でもいます。これまで、空きスペースがなくて待ってくれていた人もいます。また、自由市では野菜を販売していますが、それらの野菜と料理研究家や、ホテルのシェフとのコラボも活発にしていきたいです。キッチンスタジオと私が経営する和物手作り雑貨店「あぶくり」とを連動させ、手作り作品(陶器・銅製品・竹籠など)を作った職人さんや、アーティストなどとのコミュニティの場にしていこうと考えています。ビッコロ三番街が地元の個人起業家がスタートアップに最適な場として、体験・経験・教育の場となるような仕掛けを考えています。

 とにかく今は、焦ってはダメです。頭の中を整理してほしい。自分で生きていける知恵、一歩踏み出せる力を感じてほしいです。やらなかったらゼロ、やった人は、次に繋がります。

【井上 剛】

(株)ワークスープ
住所:北九州市小倉北区魚町3-3-20中尾ビル1F
電話:093-512-5490
ビッコロ三番館HP

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